日本人サラリーマンと聞いて、「愛社精神」や「まじめ」という言葉を思い浮かべる人も多いだろう。しかし、この言葉は日本にいるサラリーマンだけに当てはまると言っていい。彼らは一旦国外に出ると、リベートを搾取したり、賄賂を受け取ったりとやりたい放題に振る舞う。日本で活躍する中国人作家の莫邦富氏はこのほど、「Diamond online」で「中国で見た、聞いた 日本人が知らない日本人社員の堕落ぶり」という文章を発表した。以下、抄訳。
崩れた日本人社員への神話
莫氏によると、日本本社の幹部が、下請け会社の中国人社員と結託して密かにトンネル会社を作り、私腹を肥やす光景があれば、赤裸々にリベートを求めるケースもあった。年末になると、日本人幹部はトンネル会社の年末決算に立ち会うために、口実を作って出張する。日本人社員はモラルが高いとか愛社精神が強いと言われているが、その神話はすでに崩れ去ったようだ。莫氏はその後、あるメディアで、「人間は錆びないステンレスではない。環境によっては、身からサビが出るのにそれほど時間はかからない」と書いた。
駐在員にあきれた中国人社員の離職が相次ぐ
莫氏は中国を訪れた際、かつて日系企業で働いていたが、その会社を去った数人の中国人に話を聞いた。彼らは企業内で高いポジションについていたにもかかわらず、日本人幹部の無責任さといい加減さに嫌気がさして、最終的に離職することを選んだ。
日本人駐在員は、毎日のように遅刻してくる。親しい女性の人事考課にはAをやたらに付けるのに対して、夜遅くまで残業する女性社員には、逆になかなか公正な評価を与えない。風俗の女性を平気で社員の会合に連れてきたりする。私利を貪るための会社も密かに作る。口実をつくって平日にゴルフをする。本社の人間が視察に来ると、中国人社員との接触させないようにする。このような駐在員の暴挙が、中国人社員を絶望させた。
外国人を信頼しない
日本の会社は重要な任務を外国人に任せようとしない。信用を得ようと思ったら、日本国籍に帰化しなければならない。ある中国人社員は、幹部になるためには帰化しなければならないと言われ、会社を離れようと思ったと話した。このようなことが原因で離職した中国人社員たちは声を揃えて、日本の会社が中国人を信用していないことや会社の器の狭さに絶望感を覚えたと話した。
「中国市場は変化が速く、競争が厳しいところだ。海外に展開する日系企業はもっと器を大きくしないと世界には勝てない。もっとスピード感を出して、グローバルな企業になってほしい」莫氏は中国人社員からこのようなアドバイスをもらったという。
外国人を信用しない日本企業、はたしてグローバル企業と言えるのだろうか?
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年2月10日