武漢市で起きた自転車に関する出来事が、寒さの残る冬にホットな話題をもたらした。人民日報が報じた。
自転車の持ち主は、自転車で世界一周し貧困や病気にあえぐ人々を救おうと思い立った、看護師の河原啓一郎さんだ。河原さんは自転車で武漢に到着したところ、17日午後に自転車の盗難にあった。
大都市で盗難にあうことは、珍しくない。しかしその後の出来事で、河原さんに意外な喜びがもたらされた。河原さんの友人が19日、自転車の盗難についてウェイボー(中国版ツイッター)で助けを求めたところ、5万人のネットユーザーから反応が得られた。中には都市の尊厳を守ろうと呼びかける人もいた。河原さんは、全市が自分のために自転車を探してくれていることに気づき、感動した。そして盗難にあった自転車が、最終的に持ち主の元に戻されることとなったのだ。
盗難にあったのは外国人で、世界一周を目指し慈善事業を志していた。これらの要素が重なり、普通の自転車盗難事件ではなくなった。偶発的な盗難事件が、武漢の世界的なイメージを左右することになり、世界のその他の地域の道徳水準と比べられることになった。市民たちは、慈善事業を志す人が、武漢でこのような目にあうべきではないと思った。また武漢のネットユーザーは、親切であたたかい警察に親しみを持てると感じた。故郷のイメージを守ろうとする集団的行為が、人々が手を携え合う時に発揮される力を示した。かくも積極的で、国家の尊厳と故郷のイメージを守ろうとする国民がいればこそ、中国は尊い向上心と団結力を持ち、国家の発展を促すことができるのだ。
だが、都市の尊厳を守るためには、盗難された自転車を取り戻すだけでは不十分だ。