▽放射能の風評 検査で安全が証明されても買い控え
品不足よりもっと深刻なのは原発事故の影響。「福島」などと聞くだけで放射能汚染を連想されてしまい、同地産の商品の販売を今、危機に立たされている。消費者に安心して購入してもらおうと、多くの食品メーカーが自分で費用を賄って、放射能検査を実施。検査結果を盾に安全性をPRしようとしている。
「杜の國」の展示会担当者・山田さんは、「カキの干物などは、1回の検査に数十万円かかる」とし、「検査結果では商品はすべて合格。人体への影響もない」と指摘。展示・販売会でもその検査報告を掲げていたが、それでも、商品に興味を示す人はまだまだ少ないのが現状だった。
政府が援助してくれるのを待っていられないため、「杜の國」も多くのメーカーと同じく、いかに生き残りの道を見出すか思案しており、自ら展示会開催という方法を通して、自社製品の宣伝を図ろうという結論に至った。展示会開催というアイディアは地下鉄運営会社のサポートも得ることができ、参加メーカーによると、「仙台駅のような駅構内で展示会を開催しても、地下鉄運営会社は小額の使用料しか請求しない」と述べた。
しかし、展示ブースの使用料と人件費を差し引くと、メーカーの展示会での利益はほとんどなく、赤字のメーカーもあるという。それでも、「杜の國」のような食品会社からすると、展示会の主な目的は東北の被災地の商品は安全であることをPRするためであるため、これからも実施を続けるという。
山田さんは取材に対して、「地震以降、全国の十カ所以上の駅で、展示・即売会に参加してきた。今後も主要な駅で開催される展示会などに参加する予定」と語った。
「人民網日本語版」2012年2月29日