求人サイト大手の智聯招聘はこのほど、優秀な雇用主に関する大学生調査研究報告を発表した。報告によると、就職を控えた大学生が最も注目するのは「福利厚生」で、その次が「個人能力向上の機会」であり、「報酬」は3位だった。ヒューマンリソースの専門家はこれについて、「大学生の選択傾向を理解し分析することは、企業の人材募集戦略および雇用主としてのブランド構築において大きな価値をもつ」との見方を示す。南方日報が報じた。
▽人気で外資系を追い上げる国有企業
データによると、国有企業の人気(23.6%)は上がり続けており、外資系企業(24%)とほぼ同じとなった。世界一流の大学づくりを目指す「985プロジェクト」指定校の本科生は外資系企業を選ぶ傾向が強く、それ以外の大学の本科生は国有企業・政府部門を選ぶ傾向が強かった。
中国南方人材市場のデータによると、約43%の企業は応募者の学歴に対する要求に柔軟性を持たせている。雇用側の理念が成熟するに伴い、企業は人材の価値基準と実際の業務能力をより重視するようになり、学歴に対する要求は徐々に重要でなくなっている。一方で、求職者の学歴は高まりつつある。データによると、大学・専門学校以上の学歴を持つ求職者は全体の98.6%を占め、本科卒業者は約40%を占めた。大学院生の求職者も増えつつある。高学歴者が増えたにも関わらず、企業は学歴にこだわらず、業務能力を重視するようになっている。このため、卒業証書を手にした大卒生たちは競争のプレッシャーを感じている。
専門家は「調査によると、大学生は就職において、企業の福利厚生に最も注目している。国有企業と外資企業はこの点で有利だ。このため国有企業と外資系企業に人気が集まっている。国有企業の人気が外資系企業と拮抗している理由は、大学生が安定を求めるようになったからだ」と分析する。今や、新入社員の大卒生が盲目的かつ頻繁に転職するという現象は少なくなってきている。職場を転々とする人の履歴書は大企業の人事に良い印象を与えないのだ。
業界別に見ると、IT・インターネット、電子通信、日用消費財、金融、自動車などの業界が注目されている。データから見ると、大学生に注目を集めている企業はほとんど全てが雇用者としてのブランド構築を高く重視しており、大学での人材募集とブランド普及に力を入れている。ルイス・ターニング・ポイントの到来に伴い、大学人材の争奪戦も激しくなるだろう。雇用主としてのブランド建設に力を入れる企業がこの戦いで主導権を握るのは明らかだ。