米スタンフォード大学は1月から始まった春学期より、少林カンフーの授業を開設した。この授業では、本場中国河南省にある「嵩山少林寺」の僧侶・釈延然氏(30)が教鞭を振るという。中国紙「広州日報」が報じた。
米国で30年暮らしているという、同大学構造生物学学科の中国人職員は、「こんな機会は中国人でもなかなかない。カリフォルニアで、少林寺の僧侶と少林カンフーを学べるなんて」と語った。
同授業は、スタンフォード大学の「健康改善計画」の一環。同計画の担当者は「同大学のあるスタッフが、少林寺の僧侶をコーチとして招聘し、カンフーの授業を開設してはどうかと提案した」とし、「その後、サンフランシスコにある『米国少林寺(Shaolin Temple USA)』で教えている少林カンフーを研究。なかなかいいと思ったので、導入を決めた」と開設の経緯を語った。
コーチの釈延然氏は9歳の時からカンフーを習い始めたという大ベテランで、他にも17-27歳の僧侶6人がアシスタントを務める。授業は医学院のオフィスビルの裏にある庭園で、1週間に1時間。けいこを通して、心身の健康とバランスを実現することがねらい。同担当者は「カンフーに多くの人が興味を持っている。これからも継続して行う」とした。
釈延然氏は、少林カンフーは「慈悲や調和、勤勉、寛容」など仏教の思想を取り入れているため、「争いや闘いを好む」他の中国武術と異なると指摘。自己防衛のほか、健康改善や良い精神を養うのに役立つ」と語った。
昨年の春学期に開催した時には17人の申込者があったが、今年は22人に増えた。武術の初心者でも申込むことができ、年齢や身体能力も不問。費用は約1200円で、アンケートに答えれば割引もあるという。同大学が設立した国立研究所「SLAC国立加速器研究所」の機械エンジニア・スコット氏も授業に参加しており、「けいこはスポーツのようで、終わると一日中体がすっきりしている」と笑みを浮かべた。
「人民網日本語版」2012年3月2日