クライアントに物件を案内するHenryさん
中国江蘇省南京市の不動産業界では昨年、ある男性社員が4億元(約50億円)を売り上げたとか、ある女性社員が3億8千万元を売り上げたとか、はたまた実習中の女子大生が1週間で5千万元(約6億2500万円)の売り上げとか、なんとも景気のいい話題が続いている。そんな中、同市のあるデベロッパーがイタリア人のイケメンセールスマンを破格の待遇で雇ったというニュースが26日、ネット上で話題になった。中国版ツイッター「微博(ミニブログ)」上に画像付きで投稿された同書き込みによると、このセールスマンの日給はなんと、他の同業者のセールスマンのほぼ1カ月分の給料に当たる1千元(約1万2500円)。「南京市で最も高給取りのセールスマンだ」とうらやむ声が寄せられている。南京市の夕刊紙「金陵晩報」が報じた。
筆者は26日午後、話題のデベロッパーを取材した。イタリア人のイケメンセールスマンを雇った理由について、デベロッパーは「広告戦略ではなく、純粋に物件を販売するため」と説明。「今1件300-500万元(約3750-6250万円)のイタリアのトスカーナ州風の別荘を販売中。そんな時に、イタリアのフィレンツェから来た南京大学の留学生Henry(22)に会った。男前で性格も良く、中国語も上手なので、お客さんとの交渉も問題なし。それにHenry自身もこのプロジェクトを気に入ってくれている。だから、ちょっと報酬を奮発して物件の販売を手伝ってもらっている」といきさつを語った。
「高給」については、「Henryと話し合って1週間働くと7000元を払うという週給制に決めた。もし、授業や試験などで、働けない日があったら、1日1千元で計算する」と述べた。Henryさんはここで、すでに2週間働き、1週目の報酬7千元を手にしたという。また、もう一人のセールスマンと協力して、別荘1件の契約にもこぎつけた。
一方、ある中国人セールスマンは取材に対して、「私たちは、物件を売りさばけなかったら、どんなに苦労しても1千元ちょっとの月給しかもらえない。Henryの日給と変わらない。やってることは同じなのに。まあ、Henryは数カ月しか働けないと言っているし、学業の合間を縫ってしているにすぎないから…」と不満げ。
▽専門家「デベロッパーの売名行為にすぎない」
「不動産市場は、少し前は回復傾向だったが、最近また冷え込んでおり、売れ行きが悪い。だから、デベロッパーは『やり手セールスマン』などビックリするようなニュースをネット上にのせ、人々の関心を不動産に引こうしている」と、網博地産機構の孫社長は分析している。
一方、網尚研究機構の李智社長も、「デベロッパーは自社のセールスマンの宣伝をして売り上げにつなげようとしているだけ。値段を下げて販売するほうが効果が上がるはず」と指摘している。
「人民網日本語版」2012年3月28日