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清明節 人々を困惑させるお墓事情
発信時間: 2012-03-31 | チャイナネット

 

 清明節 人々を困惑させるお墓事情

清明節を迎える時期となり、埋葬やお墓の事が今一度注目を集め始めた。1平方メートル当たりのお墓の価格は不動産価格に負けず劣らず上昇し続け、近年話題となっている。また、お墓を購入することは家を買うのと同じように、1平方メートル当たり数万もの大金を叩いて購入したとしても、「一労永逸(一度苦労すれば後は楽)」というわけではなく、定期的に管理費を支払う必要があるのだ。一番理解しがたいサービスは何かと聞かれ、「不動産の管理費だ。お墓に入ってまで払い続ける必要があるから」と皮肉を言う人がいるのも理解できる。

   

高いお墓「高すぎて死ぬに死ねない」 

 

データによると、2003年以来、葬儀埋葬・お墓業界は連年「中国10大大儲け業界」に名を連ねており、そのぼろ儲けの度合いは最高で2000%に達し、不動産業界を遥かに上回る。

「このままでは、死ぬにも死ねない」と上海のネットユーザーは自身のブログで嘆いていた。「霊園に義父のためのお墓の手続きに行った。1年半前に購入した両親のお墓は4万元ちょっとだったが、直ぐ近くの霊園のお墓はなんと6万元以上になっていた。面積はたった1.4平方メートルなのに、家を一軒買えるほどの値段だ」。

近年、一部地域では、共同墓地でも管理費を徴収したり、死ぬ前から先を争って墓地を購入したり、法に反して墓地を売り出したり、譲ったりする事態が発生している。これに対し、山東省社会学会副秘書長の閻錫広氏は、不動産の高騰を見込んだ利益目的での購入を抑制するのと同じように、国が購入制限の政策を実施する必要があり、墓地の管理に対しても不動産市場の調整のような『国八条』を制定するべきである。

 

某メディアの統計によると、2008年から2011年にかけて、上海のお墓の価格は167%上昇しており、北京では「毎月2~3割の上昇」が続いている。2011年の清明節前、青島、済南などの一部霊園は、使用期限20年を超えるお墓に対し、引き続き管理費を徴収することを明らかにしている。

   

 

中国の葬儀埋葬・お墓文化 短期間での変化は難しい
儒教の伝統によって、「孝」を重んじる国として、中国人は葬式埋葬やお墓を非常に重視する。人々にとって、お墓の大小や仕様は死者に対する敬意を示すものである。

 

 報道によると、上海の共同墓地の占有率は既に70%を超え、増加し続ける死亡者数に対し、埋葬する場所がないという危機的状況が発生している。上海市民政局葬儀埋葬・墓地管理局呂春玲局長によると、上海の墓地計画の経営用地は7000ムー以上で、まだ未着手の土地はたった2000ムーほどしか残っていない。呂局長によると、上海は30年あまりの間、埋葬地の効率的な使用に多大な力を注いできた。その結果、約150~200ムーの土地の節約に成功し、ここ2,3年の埋葬は「80・19・1」という数値で総括できる。即ち、新たな埋葬のうち土葬は80%(墓碑を立てるかわりに樹木を植える樹葬・花葬などを含む)、骨壷を高層建築の安置室に納める「塔葬」や骨壷を壁に埋めこむ「壁葬」などが19%、海に散骨する「海葬」が1%となっている。土葬以外は墓地の節約になる。「十二・五」期間中、上海は墓地の効率的な使用を更に強化し、埋葬方式を「70・28・2」にすることを目指している。墓地を節約する埋葬の増加幅は顕著である。「土葬」に関しては、年々節約する墓地の割合の拡大に努め、0.6平方メートル以下のミクロ型のお墓の購入を奨励している。

華東師範大学長江流域発展研究院常務副院長である徐長楽氏によると、お墓は中国の埋葬文化において、短期間では何にも取って代われない重要性を持っている。お墓の「硬直的需要」は大きく、柔軟性はほぼ存在しない。また、都市化の進展に伴い、墓地の資源量も益々緊迫している。

   

葬儀埋葬・お墓業界 改革待ち望む

中国の葬儀埋葬・墓地業に関する政策の最も大きな問題は公共性の欠乏である。それこそ、墓地の価格高騰と管理費の元凶である。『公共墓地管理暫定規則』に規定されている「営利目的の公共墓地」政策は大きな失敗作である。中国では土地は共有のものであり、共有地で投資開発し、墓地を経営することを企業に許可し、驚くほどの利益の独占を許す事は、基本的な公共倫理に反する行いである。

 

 今後の葬儀埋葬・墓地の改革には明確な方向性が必要である。公共墓地は政府が投資するべきであり、純粋な公益事業であるべきだ。政府或いは民間によって管理を行い、企業の介入をシャットアウトし、公共墓地の費用基準は国が定めるべきだ。2008年の「両会」期間中、北京市人民代表大会代表、市民政局の趙義曽局長は「北京で公共の共同墓地の建設を推し進め、市民は死後、一銭もお金がかからないようにしていきたい」と述べた。これは疑いの余地なく賛同できる意見だ。