日本の食品加工大手・キユーピー株式会社の佐藤重郎・常務取締役はこのほど、中国江蘇省南通市で、「徳立亜食品有限公司」を南通菜華食品有限公司と共同で同市に設立することを発表した。「サラダ・惣菜」直営チェーン店を3年以内に10店舗オープンさせる計画で、第1号店は遅くとも来年3月末の開店を目指すという。佐藤氏は、「サラダ・惣菜店で使う野菜と食材は、南通で栽培、加工したものを使う。調味料類は全て日本から輸入する。このチェーン店は、地元南通のスタッフが100%経営・管理することになる」と話した。人民網(江蘇視窓)が報じた。
佐藤氏によると、キユーピーと南通との縁は大変深いという。キユーピーは20年前、日本で販売する漬物用野菜を生産する目的で、南通に独資企業を投資設立した。この製品が日本で非常に評判が高かったことから、南通との縁は切っても切れないものとなった。「食の安全と健康」は、日本だけではなく、中国でも多くの人々の関心を集めた。南通市民に安全で健康な食品を提供したいというのが、キユーピーの次なる目標となった。幅広い事前考察によって、南通が自然環境における優位性を備えているだけではなく、野菜栽培においても一流の技術があることが今回明らかになった。これにより、南通にサラダ・惣菜チェーン店を開設する話が現実のものとなった。佐藤氏は、「南通徳立亜食品有限公司は、安全、良質、新鮮、健康的、簡便な食品を南通市民に提供するため、日本の野菜栽培技術と管理方式を導入、日本の品質・安全基準にもとづき全ての惣菜食品を栽培・加工する」と語った。
南通菜華食品有限公司は、キユーピーが出資設立した独資企業。日本向け漬物用野菜を主に生産しており、年間生産量は3千トンに上る。うち90%を日本に輸出している。
キユーピー株式会社は1919年創業、日本国内の売上高は年5千億円、13年連続で、「日本の最も人気がある食品ブランド」に選ばれている。
「人民網日本語版」2012年4月6日