男女は50センチ以上接近してはならない。男女は同じテーブルで食事をしてはいけない。男女2人きりでキャンパスにいてはいけない。キャンパスで食べ歩きをしてはならない-----。これは、中国浙江省杭州市の長河高級中学(高校に当たる)が男子生徒と女子生徒と交流を制限するために新しく設けた校則だ。ネット上ではこの校則をめぐり、さまざまな論争が交わされ、注目を集めている。中国国営の「新華社通信」のニュースサイト「中国網事」が伝えた。
▽生徒「開いた口がふさがらない」
あまりにも厳しい校則に、ネットユーザーらは「狂っている」、「開いた口がふさがらない」などと呆れた様子。「こんな方法で生徒同士の恋愛を阻止するくらいなら、男女が同じ階で食事をしてはいけないという規則にしたほうがいいのではないか」との声もある。
実際には、このような生徒の恋愛対策に関する厳しい校則を制定したのは同校が初めてではない。最近、四川省成都市のある高校でも、「異性が公共の場所で50センチ以上接近した場合、教師が指導する」という規則を設け、この規則に対する違反が悪質な場合は処分を検討するとした。また、広東省佛山市のある高校でも、クラスの担任が許可した場合を除き、「男女は2人きりで遊んではいけない」と規定。なにか問題が発生した場合は同性のクラスメートに助けを求めるようにし、「男女は口実を設けて、好意を示しあってはならない」とした。
中国版ツイッター「微博(ミニブログ)」やネット上の掲示板には、「なつかしの不思議な校則」とのテーマが設けられ、ネットユーザーらが「周末に『湖南衛視』のテレビ番組を見てはいけない」や「自分の誕生日パーティに同級生を誘ってはいけない」、「携帯やMP3、MP4を使ってはいけない」などの校則を紹介。「生徒の生活を学校は干渉しすぎ」との声が上がっている。
一方、学校がそのような規則を設けようとする動機は分かるとする生徒もいるが、男女間の通常の交流までも厳しく管理しすぎで、「このような規則を設けたからといって、生徒の行動を管理できるだけで、考え方そのものを変えることにはならない」と、生徒間の恋愛阻止に対する実際の効果には懐疑的な見方をする声もある。
一方、保護者はというと取材に対して、「大学入試の競争は熾烈で、子どもは勉学に励むべき。少し厳しく管理してくれたほうがいい」と回答。学校の規定を支持する声が大半だった。