5月13日、世界各地のネットユーザーが送ってくれた写真数百枚を整理し、病床の祖父に見せる凌一凡さん |
張楠さん(22)は、昼休みに教室で凌さんのミニブログを読んだ。カナダに留学中の張さんは、トロントの美しい景色を撮影するだけではなく、この「おじいちゃん」にエールを送りたいと思った。教室にいたクラスメートに事情を説明し、5か国から留学している7人の若者達が、「頑張れおじいちゃん」と書いたプラカードを持って写真に収まった。
また、「おじいちゃん」は、成都に住む寇波さんに、海抜5217メートルの雪山の山頂まで連れて行ってもらった。「山登りを通して、身近な人からの心の支えをより深く実感できる」と語る寇波さんは、意義深い旅の醍醐味を「おじいちゃん」と共に味わおうとした。
「おじいちゃん」が旅した各地のうち、最も遠いところは南極だ。地球最南端の地で微笑む「おじいちゃん」、その背後には、真白い氷山が濃い藍色の海にそそり立っていた。
「おじいちゃん」の輪郭を人物画から切り取り、撮影した写真と組み合わせた合成写真を作ったネットユーザもいる。見たところ、本物の写真そっくりだ。
事の経緯を知った「おじいちゃん」は、喜んで孫娘に、「これでわたしは世界の有名人になったなあ」と話した。微笑みを浮かべているが、口もとに大きな潰瘍(かいよう)がある彼は、微笑むだけでも激痛が伴う。
「届いた写真の枚数は、予想をはるかに上回り、把握しきれないほどです。30秒に一人に返事をしたとしても、毎日休みなく4時間続けて返事をする必要があります。全てに返事するのに数カ月はかかります」と、凌一凡さんは、意外な進展に戸惑いを見せている。
ネットユーザーの尚聖軒さんは、駐中国日本大使館で福田康夫・元首相と偶然会い、この「世界のおじいちゃん」のことを話したという。尚さんは、「おじいちゃんに頑張ってと伝えて下さい」との福田元首相のメッセージをミニブログに書き込んだ。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年5月18日