食の記録番組「舌尖上的中国」大ヒットの秘密

食の記録番組「舌尖上的中国」大ヒットの秘密。 芸術にとって何よりも大事な要素は、「ハート」だ。自分が感動してはじめて、他者を感動させることが可能となる…

タグ: 舌尖上的中国,食,番組

発信時間: 2012-05-22 14:09:08 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

あるネットユーザーは、「飲食文化に関する広く豊かな知識について、むやみやたらに宣伝しているのではない。グルメの背後にある食生産技術や生産プロセスと一般庶民の日常生活とを組み合わせることによって、多くの共感が生み出されている」と指摘した。また、番組が大ブレイクした理由として、極めて誠実な取り組み方や本当の実力を挙げる意見もある。現在の多くの番組は、制作費・制作技術・制作環境など全て揃っているが、唯一つ、誠実さに欠けている。出来る限りの努力はしているが、そこには「誠実さ」が存在しない。

「米国人がSF映画ばかり撮るのは、歴史がないからだ。一方、中国人が時代劇ばかりを撮るのは、未来を展望しようとしないからだ」という、耳ざわりの良くない言葉がある。このような独断的意見には大いに議論の余地はあるが、考えさせられる部分も多い。客観的な立場に立たずに主観的な考え方からしか物事を見ない、あるいは、ごく一部の人々の贅沢三昧極まるセレブ生活だけにフォーカスし、衣食住に関する一般庶民の願望を無視しているようでは、過去にさかのぼろうとも、未来に思いをはせようとも、人の心を打つことはできない。

文化の体制改革は、深い部分に入り込んで進んでいる。クリエイト業界関係者は軒並み、モデルチェンジへの課題や革新のプレッシャーに直面している。それでもなお、古い自分から脱却できず、空しい言い訳ばかりが空回りする人がいる。自分を束縛する数々の理由を挙げ、改革革新の最初の一歩を踏み出せない人がいる。批判や懐疑の声に対し、視聴者の「審美眼」のせいにするか、批判者を「素人」扱いする人もいる。「愛国主義」という広大なテーマを持つ番組であっても、繊細さや暖かい気持ちで満たすことができる。海外に対する中国のイメージアップを意図した番組でも、ごく普通の中国人の喜怒哀楽を表現することは可能だ。純粋な営利目的の商業番組であっても、芸術上・経済上のダブルウィン(共勝ち)を実現することができる。?商業ドキュメンタリー番組「舌尖上的中国」は、数々の真実を我々に教えてくれた。

「食品に対する敬意と感謝の気持ちを持ちつつ、このドキュメンタリーを制作しました」-----。陳暁卿ディレクターのこの言葉は印象深い。「ハート」は、芸術にとって欠かすことのできない最も大切な要素だ。自分が感動してはじめて、他者を感動させることが可能となる。自分を信じる心があってはじめて、他者を説得することができる。これこそが、番組大ヒットの秘密であり、あらゆるクリエイターが何よりも深く考えるべき課題なのだ。(筆者:範正偉)

「人民網日本語版」2012年5月22日

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