少し前、南京の某外資系企業に勤める30歳会社員男性が、1ヶ月連続の残業により、心筋梗塞を発症し、帰らぬ人となった。報道によると、男性が搬送された病院では、4月以来、既に30件の突然死が発生しているという。
中国の突然死の人数は年々増加傾向にある。心臓の疾患が原因の突然死は55万人に上る。つまり、1日あたり少なくとも1000人以上の人が突然死しているということになる。北京では、120番(日本の119番に相当)救急救命センターへの電話で搬送中に突然死した人数が1998年には80人以上、2011年には270人以上まで増加している。
若者の突然死が増加している重要な原因の一つは、過度の疲労であることがわかっている。労働法では「労働者の一日の労働時間は8時間を超えてはならない。1週間あたりの平均労働時間は44時間を超えてはならない」と定められているが、現実は楽観視できない状況だ。
某調査研究センターが2012年4月に発表した『2012年度中国職場社員バランス指数調査研究報告(3万人が参加)』によると、中国の社員の会社での平均労働時間は8.38時間である。30.3%の人が一日当たり10時間以上、最長で16時間働いている。また、65.8%の人が帰宅した後も持ち帰った仕事をしているという。
また、同調査では、6割のサラリーマンが頻繁な残業によって、健康状態が次第に悪化していくことを感じているにもかかわらず、会社の昇進や淘汰の仕組みに直面する中、「望んで残業をする」ことが多々あるということがわかった。