北京時間3日早朝、優勝し五星紅旗を高く掲げる劉翔選手 |
2週間前に開催された国際陸上競技連盟(IAAF)ダイヤモンドリーグ戦上海大会の男子110メートル障害で中国の劉翔選手が見事優勝、タイムも12秒97の好成績を残し、その快走ぶりに地元の会場は大いに沸いた。北京時間3日早朝、米国オレゴン州ユージーン市で開催されているダイヤモンドリーグ第4戦で、強風と湿ったトラックという上海大会と同様のコンディションのもと、今度はアウェイ戦となる試合に劉翔選手は臨んだ。スタート後、第3ハードルから飛び出した劉翔選手はそのままゴールイン、ダイロン・ロブレス選手(キューバ)が持つ世界記録と並ぶ12秒87のタイムで優勝した。
競技のスタート時点での風速は毎秒2.4メートルと、IAAFが定める毎秒2メートルを上回っていたため、今回の劉翔選手のタイムは公式の世界タイ記録と大会新記には認定されないが、追い風条件で男子110メートル障害の世界記録となった。川崎大会から上海大会、さらにユージーン大会まで、劉翔選手はタイムを尻上がりに伸ばしており、スタートからハードル1台目までの歩数を8歩から7歩に変えた新走法も自分のものになりつつある。ロンドン五輪開幕まで50日あまりとなった今、劉翔選手は今季の屋外大会3連覇で、五輪優勝に向けたラストスパートを宣言した形だ。
IAAFダイヤモンドリーグ戦上海大会・ユージーン大会ともに、劉翔選手は2位を体一つ引き離してゴールし、優勝を勝ち取った。彼の絶好調は、スタートから1台目のハードルまでの歩数を、従来の8歩から7歩に変えた新走法によるところが大きい。試合後、「最も効果があったのは、1台目のハードルを7歩で越えたことだ」と話している。しかし、「いかなる場合にも動揺せず、心を落ち着けて」競技に臨む彼の姿勢も、ユージーン大会の勝利につながった事実も見逃してはならない。
上海大会終了後の記者会見で、中国の「飛人」は、「奥の手を出し惜しんでいる訳ではない」と冗談まじりに話した。 同大会後も、劉翔選手は穏やかな精神状態を持ち続け、「どの試合であれ、私にとっては同じ重さを持つ試合です。どの試合であれ、自分の力を出し切ります」と語った。今季の屋外試合で、最大のライバルであるロブレス選手と一度も対戦していないが、劉翔選手は「競技を経験することで、自分に足りないものを模索する必要があります」とコメントしている。劉翔選手が落ち着いた状態をこのままキープできれば、ロンドンのオリンピックスタジアムでの彼のパフォーマンスに、より多くを期待できることは間違いない。
「人民網日本語版」2012年6月4日