湖北省武漢市内で11日、濃い靄(もや)が発生。インターネット上では「工場の事故が原因」などのデマも流れたことから、関連の部門は「そのような事実はない」との声明を出すなど、対応に追われた。中国国営の「新華社通信」が報じた。
同市では11日から靄が発生する地域が拡大。濃度は高く、発生時間も長くなるなど、近年まれに見る深刻な状況となった。午後2時には、トラックなどのディーゼル自動車から排出される大気中微小粒子(粒径10マイクロメートル以下の粒子/PM10)の濃度が、深刻な汚染に属する1立方メートル当たり0.574ミリグラムにまでなり、視界も極度に低下。煙のような異臭もした。
濃い靄がかかるようになってから、インターネット上では、「ある企業のボイラーが爆発した」「ある化学工場で、有害気体の漏出事故が起きた」などのデマが飛び交い、一部の市民がパニックに。そのため、同市安全生産監督管理局や環境保護局などの部門が直ちに事実確認を行ったが、事故の発生は確認されなかった。公安部はデマの出所を突き止め、デマを流したとされる2人の身柄を拘束した。
同市は、収穫が終わった農地でわらなどが燃やされたことが原因ではないかと見ている。
「人民網日本語版」2012年6月12日