12日、濃い靄に包まれた長沙市内の橋を渡る人々。視界も非常に悪くなり、市民の生活にも影響が出た。 |
中国中南部の一部の省や市で12日、濃い靄(もや)が発生。うち湖南省長沙市の大気汚染は、過去最悪とされる黄砂に匹敵する深刻さとなった。
長雨がやっと上がった長沙市だったものの同日、靄の影響で、太陽は見えず、どんよりとした空気につつまれた。同市の環境保護部門の観測は大気の汚染状況について、中国の北方地方で発生した過去最悪の黄砂に迫るほどの深刻さで、市外で発生した汚染物質が原因としている。
同日早朝、靄は外部だけでなく、窓を通して建物の内部にも侵入。多くの市民が室外だけでなく室内でもマスクを着用したり、ドアや窓をしっかり閉めて空調の効いた室内に逃げ込んだりして、できるだけ靄に接触しないよう対策を迫られた。
同市の環境観測センターステーションの同日の観測によると、同日の午前0時ごろから靄が発生し始め、その後、トラックなどのディーゼル自動車から排出される大気中微小粒子(粒径10マイクロメートル以下の粒子/PM10)の濃度が急上昇。午前11時には、1平方メートル当たり、0.459ミリグラム(WHOの基準値は1立方メートル当たり0.12ミリグラム以下)まで上昇した。
一方、江西省北部の大部分の地域でも同日、同じく濃い靄に包まれ、視界が悪く、蒸し暑くなったため、多くの市民の不快感を訴えた。
また安徽(あんき)省の交通警察総隊によると、同日、同省の北部で濃い靄が発生。午前9時30分の時点では、同省の合肥市より北に位置する高速道路すべてが封鎖された。また、10時ごろ、ほかの一部の区間でも通行止めが実施された。
その他、湖北省武漢市では11日から、広範囲で濃い靄が発生。時間と共に、濃度は高く、発生時間も長くなるなど、近年まれに見る深刻な状況となった。そして、午後2時には、大気中微小粒子の濃度が、深刻な汚染に属する1立方メートル当たり0.574ミリグラムにまで上昇し、視界も極度に低下。煙のような異臭もした。
「人民網日本語版」2012年6月13日