▽「売れ残り男性」は「売れ残り女性」より深刻な問題
中国で「剰男」と呼ばれる結婚できない男性は最終的に収入の少ない貧困層に集中するようになり、それが、売買目的の女性誘拐や花嫁売買、性犯罪などを誘発するようになっている。
中国で新生児の男女比がアンバランスになったこの30年近く、「売れ残り男性」が大量に出現するようになっているが、現在人々の注目はむしろ「売れ残り女性」に集まっている。
この点について、北京大学社会学学部の李建新教授は「情報の釣り合いが取れていないことが原因」と指摘。「新生児の男女比率が長期に渡りアンバランスになることが誘発する社会問題は、大都市ではなく、貧しい農村地域から発生する。これら、貧しい地域は通常、最新の情報などにうとく、『売れ残り男性』などの問題はあまり知られることがない」と分析している。
実際、結婚適齢期の男女比率がアンバランスになっていることに加え、女性が経済力をつけるようになり、男性より女性のほうが裕福というケースが増え、▽農村など貧しい地域の「売れ残り男性」の増加▽大都市の「売れ残り女性」の増加‐‐という2つの現象が起きている。
李教授は、「実際の結婚問題で、中国では男女カップルの『家柄の釣り合い』を重視するほか、今では『逆玉』や『玉の輿』もある。これを、『甲』、『乙』、『丙』、『丁』で個人の社会的経済地位を表して考えると、甲の男性と乙の女性、乙の男性と丙の女性、丙の男性と丁の女性ということになる。つまり最後に残るのは甲の女性と丁の男性。こう見ると『売れ残り男性』は結婚したくてもできないのに対し、『売れ残り女性』は個人の選択ということになる」と分析している。
「人民網日本語版」2012年6月25日