▽アメリカ・アジア・欧州の三つ巴
中国社会科学院都市・競争力研究センターの倪鵬飛主任は、「世界都市競争力とは、その他の都市と比較して資源をより良く、より多く、より早く集め消費し、サービスと商品の提供により富を築き、市民に対して福利厚生を提供する能力を指す」と説明した。
そのため同報告書は、6つの総合競争力指標(グリーンGDP、1人当たりグリーンGDP、1平方キロメートル当たりのグリーンGDP、経済成長、特許申請、グローバル企業指数)、および7大類別の計54種の副環境指標を用いた。
これにより導き出された「世界都市競争力ランキング」では、アメリカ・アジア・欧州による三つ巴が続いている。専門家は、「2007-2012年、トップ10のすべてが同3地域により占められている」と指摘した。今回のトップ50都市のうち、北米が23都市、欧州が16都市、アジアが9都市となった。
▽発展途上国に重心が移動
倪主任は、「全体的に見て、世界の都市競争力の格差は縮小の傾向にある。世界経済の構造変化により、世界都市ランキングの構造にも変化が生じており、工業化した先進国の都市から、発展途上国の新興都市に重点が移りつつある。先進国の都市が順位を落とし、発展途上国の都市が順位を上げており、これらの都市の発展の差が縮小されている」と分析した。
同報告書によると、金融危機と欧州債務危機の影響を受け、欧米都市の競争力が大幅に低下している。欧米都市は依然として高い競争力を持っているが、対外貿易の依存率が高まっており、金融危機による影響が拡大した。
一方で、アジア(特に中国やインド等の新興国)各都市の需要が旺盛で、金融危機と欧州債務危機による影響を緩和し、全体的に順位を上げる結果となった。