このほど杭州で発売されたラクダ乳は、1本180ミリリットルで48元(約600円)という高額により、市民を驚かせている。銭江晩報が伝えた。
このような一風変わった乳製品が売り出される場合、往々にして牛乳と成分を比較し、「最も母乳に近い」などと宣伝されることが多い。しかしこのラクダ乳の宣伝文句はもっと「大げさ」で、糖尿病や腎臓病に効果があると明記された。
◆牛乳よりしょっぱめ
あるラクダ乳の専売店に足を踏み入れると、さまざまなラクダの乳製品が陳列されていた。1本180ミリリットルのラクダ乳は48元、1本80グラムのミルクタブレットは258元(約3225円)、1箱300グラムの粉ミルクは588元(約7350円)で販売されていた。店内のパンフレットには、ラクダ乳を「砂漠のプラチナ」と例えていた。
店員によると、ラクダ乳には生臭さがあるが、加工処理により臭みを取り除くと、その味は牛乳と余り変わらないという。ミニブログやBBSをのぞくと、消費者はラクダ乳がしょっぱめであるとコメントしている。
◆ラクダ乳は特効薬?
毎日ラクダ乳を1本飲むと、1カ月で約1500元(約1万8750円)の費用がかかってしまう。
これほど高額なラクダ乳を、誰が飲むのだろうか。ラクダ乳専売店の代理商の銭氏は、「ラクダ乳の販売は、主に高所得層と、一部の特別な需要のある消費者を対象としている。当店は杭州の高級クラブ、五つ星ホテルと契約を結んでいる」と語った。
一部の特別な需要のある消費者とは、糖尿病、腎臓病、B型肝炎の患者を指す。パンフレットには、「糖尿病の治療に効果あり」、「腎臓病の治療に最も効果的」といった宣伝文句が記されている。記者が一般客として店員に質問すると、店員は糖尿病に効果があると答えた。オンラインショッピングサイトのタオバオでラクダ乳を販売する某店主は、「数日間飲むだけで、血糖値を下げることができる」と述べた。
浙江省第二病院の栄養科主任、浙江大学乳業研究所の専門家に問い合わせたところ、ラクダ乳にそのような効果があるかは不明だと回答した。
ラクダ乳は近年になり開発された新しい商品で、現在は新疆ウイグル自治区、内モンゴル自治区等の市場でのみ広く流通している。
浙江大学乳業研究所の専門家は、「ラクダ乳は生産量が少なく、栄養価が高い。一頭の乳牛は1日に30キロの牛乳を生産するが、ラクダ乳は1日に約5キロのみしか生産されない」と述べた。
ラクダの飼育は気候による影響を受けやすいため、全国的な生産には至っていない。上述した杭州で販売されているラクダ乳は、新疆ウイグル自治区から空輸したものだという。
「人民網日本語版」2012年7月5日