中国人口計画生育(一人っ子政策)委員会はこのほど、中国は高齢化問題が日に日に深刻化する中、高齢者介護と子供が1人しかいない家庭の家族介護を合わせて考え、子供が1人しかいない家庭に対する奨励・補助制度をさらに強化する考えを示した。中国国営のラジオ局「中央人民広播電台」のウェブサイト「中国広播網」(CNR)が報じた。
同委員会の発展計画・情報司(局)の于学軍局長は、「中国は2001年に高齢化型社会に突入して以来、ほかの国より急速かつ大規模に高齢化が進んでいる」と指摘。「規模という点では、総人口に対する高齢者の割合を見なければならない。現在、中国の65歳以上の高齢者は1億2千万人で、2050年までに3倍まで膨らむと予測されている。次に、速度という点で、中国の65歳以上の高齢者は今の7%から25年で2倍の14%になると予測されている」とした。
一方、中国人民大学人口・発展研究センターの顧宝昌教授は、「中国では農村部から都市部へ出稼ぎに出る人口流動問題が農村の高齢化問題に拍車をかけている」と指摘。「出産率が低下したため、子供の数が減っているうえに、若者が都市部へと流れている。中国の流動人口は2億人に達していると見られ、このような状態では農村の高齢化が深刻化しない方がおかしい。この問題において『高齢者』は『目的語』で『世話する』が述語。では『主語』は誰なのか。誰が世話を行うのか」と警笛を鳴らす。
同時に、高齢化の問題が経済成長のパターンや年金支出、高齢者介護の方法などの問題にも影響を及ぼし始めている。そして、高齢者数が急速に増加するにつれ、子供が1人しかいない家庭の高齢者介護の問題も現在、日に日に突出化している。
この点、同委員会の崔麗副主任は、子供が1人しかいない家庭に対する年金補助を強化する考えを示し、「例えば、同委員会の奨励補助制度やほかの年金補助などの面、さらに農村の医療保険制度・型農村合作医療や年金制度・新型農村社会養老保険などにおいて、政府が最大限努力し、サポートを提供できるようにしたい。また、高齢化が進む過程で、サービスネットワークが比較的健全であるという利点を生かし、子供が1人しかいない家庭にサービスを提供する際には、高齢者に精一杯のサポートをしていきたい」と述べた。
「人民網日本語版」2012年7月9日