道中では、毎日2、3時間のドライブが続いた。蔓蔓ちゃんにとって、車がゆりかご代わりになり、車に乗るとすぐに寝入ったという。訪れた場所が気に入らない時も眠ってしまう。重慶で仏教彫刻「大足石刻」を見物した時、岩の壁一面に掘られた石像に対面した蔓蔓ちゃんは、まぶたを閉じて眠り始めた。一方、眠りたがらない時もあった。雲南省西双版納(シーサンパンナ)で象を見た時、蔓蔓ちゃんは突然テンションが上がり、眠気も吹っ飛んだ。ダンシング・グリーン(跳舞草)という植物を見た時、自分が声を上げると草が踊り出すのが分かり、喜んで手を叩いた。
宝超さん夫妻が何よりも自慢にしていることは、蔓蔓ちゃんが砂浜で初めて立ちあがり、歩けるようになったことだ。西南への旅が始まって3カ月たった2012年の大晦日、3人は北京に戻り新年を迎えた。
▽「旅行は赤ん坊にマイナス影響」との声も
宝超さんの子連れマイカー旅行をつづった書き込みへのアクセス数は、16日夜で13万回を超えた。子連れ旅行を決行したことを称賛する声が多い中、「生後9カ月の赤ん坊には、たっぷりとした睡眠が必要だ。しかし、マイカーでの旅行では、上下の振動が激しく、睡眠環境は決して良いとはいえない。また、この年齢では、大きくなっても旅行について全く覚えていない」と非難めいた意見も一部上がった。
このような意見に対し、宝超さんは「9カ月の赤ん坊を育てるにあたり、育児に関する知識をいろいろ勉強した。旅行に際しても、万全の準備を整えた」と話した。子供が多くの時間を車内で過ごすため、防音装置、空気清浄機能付きエアコン、換気システムを車内に備えたという。旅行中、蔓蔓ちゃんは山西省太原市で一度風邪をひいた以外は、ずっと元気だった。旅行から戻った蔓蔓ちゃんは、身長84センチ、体重13.5キロになっていた。出発前に比べ、5.6センチ・5キロ成長しており、身長・体重とも同月齢の平均に達していた。
児童保育専門家は、赤ん坊を連れて旅行することについて、次のようにコメントしている。
月齢9カ月の赤ん坊は、神経系統の発達が急速に進む段階にある。珍しい景色を観て、珍しい音に耳を傾けることは、大脳神経系の発育を促進する上で極めて効果的だ。親が赤ん坊を連れて旅行に出る際には、赤ん坊を中心に旅程を組みたてることが何よりも大事だ。子供にとって好ましく、安全で、バランスの取れた生活環境を創り、「食べる・着る・眠る・遊ぶ」ための条件や病気を予防する条件を整えなければならない。それらの準備をないがしろにすれば、子供に悪影響が及びかねない。また、親は、子供に必要な身の周りの品々を出発前にきちんと揃え、最低2人以上の保護者が旅行に同行すべきだ。赤ん坊の段階では、身体の各種機能はまだ十分とは言えず、あまりにも長距離の旅は避けた方が良い。マイカー旅行の場合、運転時間はできれば2時間以内に抑える。自然の景色が美しく、環境が清潔な場所に車を停め、十分な休憩を取ることが大事だ。
「人民網日本語版」2012年7月17日