ロンドン五輪の開幕まであと二週間を切っているが、開催期間中の安全対策に関する問題が報じられており、国民の不安を招いている。人民日報が伝えた。
まず安全対策チームの人手不足という問題がある。開幕を間近に控えた現在、多くの部署で警備員が不足している。英国政府は3500人の兵士の増員を決定した。政府は、英国軍が五輪の安全対策に向け準備を整え、士気を高めており、開催期間中の安全対策に問題が生じることはないと強調したが、この情報だけでは安心できない。兵士増員の直接的な原因が、会場警備を請け負うG4S社が警備員を期限通りに募集できず、十分に研修を行えなかったためだからだ。英国の反対派の党とメディアは、「政府のG4S社に対する管理不足により、開幕を直前に控えた現在になり、警備員がこれほど不足していることがようやく明らかになった」と非難した。
人手不足の他に、新たに配置された警備員は業務に熟練したプロではなく、テロリスト対策に関する基本的な訓練を受けていない。これもまた、ロンドン五輪の安全保障にとって、大きな課題となるだろう。
英ガーディアン紙は7月15日に一面で、ロンドン・ヒースロー空港の出入国管理に多くの不備が存在すると報じた。某入国審査官は、「出入国をスムーズに行い、観光客の待機時間を短縮するため、同空港は新人を追加した。しかしこれらの新人は経験が不足しており、一日の間に多くの疑わしい人物を入国させてしまった」と語った。
同氏は3人のテロリスト容疑者が検査を通過したと述べ、同氏の同僚はこれが5人に達するとした。上述した容疑者の氏名は、内務省から配布された容疑者リストに記載されている。これらの容疑者がいつ現れようと、入国審査官は警察や情報局保安部(M15)に直ちに通報しなければならない。しかし大幅増員された新人は、テロリスト取り締まりの意識と経験がまったくなく、容疑者を逃すこととなった。
ヒースロー空港の新人の入国審査官は、内務省により各所属部門から臨時で派遣され、パスポート検査の最も基礎的な研修しか受けなかった。上述した状況は氷山の一角であり、オリンピックの安全対策に与える影響が、人手不足よりも深刻であると懸念されている。
7月16日より、参加国の代表団が相次いで現地入りしている。報道によると、ロンドン東部のオリンピック村では一部の施設が竣工しておらず、直ちに入居することができないという。
「人民網日本語版」2012年7月19日