こんがり焼けた肌に、無精ひげを生やし、帽子を逆さにかぶった水泳代表の北島康介選手(30)がリラックスした様子で、ロンドン五輪の選手村を散歩していた。スーパーをぶらぶらしたり、記念品ショップでマスコットを見たりして、ほかの選手と談笑するその姿は、五輪3連覇を狙うプレッシャーなど全く感じさせない。ただ、取材となると、微笑んで応えるものの、今回の五輪の目標などは口にしなかった。中国国営・新華社通信のウェブサイトが報じた。
2004年のアテネオ五輪と08年の北京五輪の男子100メートル平泳ぎ、200メートル平泳ぎの2種目で金メダルを獲得し、五輪史上初の平泳ぎ2大会連続2種目制覇を果たした北島選手。今回、3大会連続2種目制覇の期待がかかるが、当の本人はこの話題には触れたくない様子。
自身の調子に関して、北島選手は取材に対して、「12日に練習拠点としている米国ロサンゼルスから日本に帰国して、20日にロンドン入りした。今は少し疲れている感じがする。でも水泳の試合は28日からなので、全く問題はない。調子を調整する時間がまだ1週間もある。五輪の試合会場のプールも好きなプール」とリラックスした表情で語った。
北京五輪で、日本の水泳チームの金メダルは北島選手の2枚だけで、あとは男子200メートルバタフライで松田丈志選手が、女子200m背泳ぎ 銅メダルで中村礼子選手がそれぞれ銅メダルを獲得した。日本水泳チームの中で、絶対的な精神的柱の北島選手が「オリンピックの舞台を楽しみたい。自分のベストを尽くすだけ」と話すと、同じく平泳ぎの100・200メートル日本代表・立石諒選手(23)は微笑みながら北島選手の肩をたたいていた。
実際には、立石選手と北島選手はライバル同士。10年に広州で開かれたアジア大会の100メートル平泳ぎでは、立石選手が北島選手を退けて金メダルを獲得した。ただ、立石選手はまだ、国際大会では結果を残せていない。
立石選手は「試合までまだ何日かある。オリンピックを楽しんで、試合ではベストを尽くすだけ。北島さんのようにね」と語った。
「人民網日本語版」2012年7月23日