中国の都市部に戸籍を置く家庭の平均資産は247万元(約3千万円)、中国全土のマイホーム所有率は89.68%に達し、1世帯当たりの純総資産は米国を21%上回っているとする調査報告がこのほど、物議をかもしている。中国国営のラジオ局「中央人民広播電台」が伝えた。
物議をかもしているのは中国初の「中国家金融調査報告」の内容で、中国人民銀行と西南財経大学(四川)が共同設立した「中国家庭金融調査・研究センター」がまとめた。これらのデータはなにを根拠にしているのだろう。中国の家庭資産は本当に米国を上回っているのだろうか。同センターの甘犁センター長(西南財経大学経済学院院長)を単独取材した。
「これほど大きな反応があるとは思ってもいなかった」とする甘氏は取材の初めに、「データの結果は中国全土で行われたサンプリング調査をもとにしていることは確か」と指摘した。
そして、「我々が採用したサンプリング調査は米国の連邦準備制度(FRB)の方法と同じ。まず、中国全土でランダムに8438世帯を選び、調査。さまざまなデータを、比較した。その資産データにはすべての資産が含まれている。例えば、不動産のほか、銀行の預金や株式、各種債券、金などの家庭の金融資産。さらに、自動車や商工業、土地など。そのため、同報告は完全に整った資産総量の描写と言える。我々の資産描写と米国の資産描写は、比較するに値するもの」と強調。
一方、「中国の発展は誰もが認めるところだが、中国の家庭資産が米国を2割以上も上回っているはずがない」とする声については、「中国の各家庭の総資産が米国を上回ったというのは、不動産の評価に起因している」と説明。