中秋の名月に当たる中国の伝統的行事「中秋節」(旧暦8月15日、今年は9月30日)までまだ半月あるが、中国のネット上では早くも、中秋節に欠かせない伝統的菓子「月餅(げっぺい)」の販売合戦が始まっている。中国の通販大手「淘宝(タオバオ)」の月餅ギフト券・月餅ギフトセットの売上額は今月10-16日の1週間で計3500万元(約4億3750万円)を超え、前年同期比で200%伸びた。うち14日は月餅ギフト券の販売枚数が66万枚に上り、過去最高を記録した。中国紙、羊城晩報が16日付で報じた。
淘宝のサイトで「月餅」を検索すると、30万件もの商品がヒットする。例年と少し違うのは、一風変わった月餅がたくさん目に付くことだ。フルーツ月餅に無糖月餅、100%チョコレート月餅、アイス月餅、クリームチーズ月餅と変化に富んでいる。
従業員によると、売れ筋月餅のうち、こうした奇抜な月餅がすでに半数を占めている。中国の菓子大手「元祖食品(GANSO)」(本社・台湾)のアイスクリーム入り月餅「雪月餅」だけで40万元(約500万円)以上を売り上げた。雪月餅はミルク風味の生地になめらかな高級アイスクリームがたっぷりと詰まっている。1箱200元(約2500円)余りと高めの価格設定だが、甘いものに目がない若い女性たちの心をわしづかみにしており、毎日1000箱以上売れるという。
今年は、健康効果をうたった月餅も登場した。栄養補給や滋養強壮に効く月餅は、こんにゃく芋を使ったありふれたものもあれば、高級なツバメの巣を使ったものもある。お年寄りや糖尿病の患者は、無糖の月餅を選ぶことができる。ダイエット効果をうたった月餅の中には、梅の実とパパイヤで作られた変り種もある。こんな奇妙な組み合わせでおいしいとはとても思えないが、「ダイエット効果」という売り文句に3688件もの注文が集まり、好調な売れ行きを見せている。
「人民網日本語版」2012年9月20日