情報をやり取りし、交流を促し、相互理解を深め、偏見を排除するといった面で、メディアは重大な責任を担っている。メディア交流は、パブリック・ディプロマシー(広報外交)における主力のひとつとなっている。人民日報が伝えた。
情報技術の急成長に伴い、新興メディアが「グレードアップ」する時間は大幅に短縮され、情報伝達手段は日進月歩で更新されている。しかし、一つだけ変わらないことがある。それは、情報の内容が相変わらず、メディアが取材し、編集し、制作したものであるという点だ。海外メディア関係者の対中国観は、海外の視聴者に少なからぬ影響を及ぼす。同様に、中国のメディア関係者が世界をどのように観ているかは、世界に対するイメージを中国人が脳裏に形作る上で、大きな影響を及ぼしている。
ニュースが伝えるのは情報だけはない。ある種の文化や考え方も伝える。世界中を駆け巡る重要な情報は、今もなお、先進国から発展途上国に向いて流れている。さまざまな重要事件、その中には発展途上国で起こった事件も含まれるが、それらの事件をいかに解釈するかという権利も、主に先進国のメディアが握っている。情報の伝播が長期に及ぶと、そのバランスが失われ、知らず知らずのうちに物事に対する人々の正しい判断や理解にマイナス影響が及び、評価尺度がねじ曲ってしまう恐れがある。世界の構造が多極化に向かうプロセスで、国際舞台での発展途上国の発言権はますます高まり、情報伝播の分野が多極化することも、もはや大局の赴くところとなった。しかし、発展途上国の発言権は、「棚からぼた餅」的に落ちてくるものではなく、発言権を運用する能力を高めることは、極めて重要になってくる。
情報をやり取りし、交流を促し、相互理解を深め、偏見を排除するといった面で、メディアは重大な責任を担っている。メディア交流は、広報外交における主力のひとつとなっている。各国メディア間の交流・意思疎通は、全面的・客観的かつ正確に相手国について報道することに有益に働く。中国と各国のメディア関係者同士の交流は、ここ数年拡大を遂げ、深まり続けている。交流には、取材・発行・経営面での経験交流から、考え方の違いに関する討論や異なる視点についての意見交換まで、実にさまざまだ。これは、一方が他方に自分の考えを押し付けることが目的ではない。異なる意見をぶつけ合うことで、相互理解が深まり、真相が明らかになり、さまざまな考え方が生じる原因を把握することが可能となるのだ。
世界に向かっている中国は、客観的かつ友好的で、国家に利益となる国際世論環境を創造しなければならない。中国メディアは、そのための崇高な使命を担っている。同時に、過去にないほどスケールでの協力・交流の機会に直面し、国際的な伝播能力を高める絶好のチャンスを握っている。
「人民網日本語版」2012年9月28日