北京の中心商業エリアにあるマッサージ店は、最近、クリスマスムードでいっぱいだ。同店には、笑顔のサンタクロース、雪だるま、トナカイ、プレゼント満載のクリスマスソックスで飾りつけられている。女性マッサージ師はサンタ帽子をかぶって、顧客を迎える。これは西洋文化が勝利したのではなく、正真正銘、中国国内市場の販売業者や企業家の巧妙なアイディアのなせる技なのだ。
北京では、道に並ぶラーメン店から郊外ショッピングセンターまで、クリスマスムードの装飾品がいたるところに散りばめられている。かつて、北京や上海のような大都市の大きなホテルやショッピングモールでしか見られなかったイルミネーションが、今はすでに多くの中小都市のさまざまな階層の店でよく売れている。
ある雑貨店スタッフによれば「私たちはますます中国国内市場を重視するようになっています。毎日国内に約2000本のプラスチック製クリスマスツリーを発送しています。中国人の生活レベルは明らかに上がっており、人々は精神的なたのしみを重視し始めました。クリスマスは楽しいお祭りで、特に若者に好まれています。」と語った。
中国国内のクリスマス用品メーカーは増加傾向にある。目下、最大、かつ成長が最も早いのは中国市場だ。しかし、クリスマスを盛大に祝う習慣がない中国で、この成長の勢いは確かに予想外ではある。クリスマス商品の利益は非常に低いため、もし国内市場がなければ、数百社以上ある工場は破産に直面することになるところだった。
中国は毎年13億英ポンドのクリスマス商品を輸出しているが、そのうち、温州市の「義烏小商品卸売市場」が2億ポンドを占めている。2010年、同市のクリスマス商品メーカーは合計400社だったが、現在すでに750社を超えている。しかし、生産能力が大幅に増加したところに、義烏の最大輸出先だった欧米諸国の需要が約25%減少し、企業利益に非常に厳しく響いていた。
ある工芸品会社のセールスマネージャーである胡さんによると、長期計画で新規市場を探しているという。なかでも中国国内市場の潜在力は非常に巨大だ。ここ1、2年来、義烏の多くのメーカーで、国内の販売数がすでに販売総額の2割を占めているとわかった。また、海外市場に対して見方も変えて、市場の注目ポイントを見直したところ、ブラジルが義烏のクリスマス商品の最大輸出先になってきた。ヨーロッパ人と比べると、ブラジル人はより若草色の人工クリスマスツリーを好む傾向があるという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年12月24日