庶民の墓参りは心のよりどころ
一般の日本人も人生の節目には先祖に報告に行くことがある。白髪の老夫婦が息子とその嫁を連れ、祖先の墓参りに行き、丁寧にお供えをした後、手を合わせてこう祈っているのを見たことがある。「息子がご先祖様から頂いたいのちを絶やさないように、孫を授けてください。」
農村の高齢者は、しょっちゅう先祖の墓に行ってはぐるりと一回りする。自分の祖先だけでなく、兄弟やその配偶者までお参りする。生活の寂しさから墓参りが心のよりどころになっているようだ。
墓参りは日本人にとって、次の世代に対する教育の一環でもある。子どもをつれて墓参りをすることは、家族に対する同族意識の表れなのだ。
東京や大阪などの大都市に住む人々は、ほとんどがいわゆる外から来た人で、仕事の忙しさや遠方にあるなどの理由から、自分自身では墓参りが難しい。彼らの第二世代、第三世代は遠い田舎にある祖先の墓に対する感情が薄い。私も寺の管理費を催促する内容が書かれたメモが墓碑に貼られた、何年も来る人のない墓を見たことがある。このような事情から墓参りを代行する業者も現れている。墓地を管理している寺院に多めに金を払い、墓の掃除やお供えを委託する人も少なくないという。
蒋豊
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年12月26日