高齢化が加速する日本では、ゲームセンターも若者だけのものではなくなってきている。経営者は増え続けるシニア世代にターゲットを切り替えた。50歳以上の層が新たなビジネスチャンスとなっている。
ゲーム会社カプコンは今年の春、傘下のゲームセンターで50歳以上の人たちのクレーンゲーム、コインゲーム、アーケードゲームを無料にするイベントを行った。4回のイベントで800人以上を動員し、高齢者の中には孫を連れてきて楽しそうに遊ぶ人もいた。ゲームで遊んだことがなくても大丈夫だ。スタッフが付き添って教え方を教授してくれる。
カプコンのゲームセンター責任者の高橋信也さんは、傘下のゲームセンターでは営業日の3割から4割は50歳以上の人たちが顧客だという。「ゲームセンターは最初は子どもたちの陣地だったが、その後ファミリーで来るところになり、そして今は高齢者が集うところになった。高齢化により、高齢者の顧客は明確に増えている。」と語る。
セガのゲームセンターでもシルバー世代は少なくない。マネージャーの山下茂さんは、高齢者は通常、平日の昼間に来ている。この時間帯はあまり他の客がいないので、高齢者の消費額は若者ほど多くないが、「それでもかなり助かっています。」という。
高齢者にとっては、ゲームセンターはゲームをするだけでなく、他の人と交流できる場所でもある。山下さんいわく「ゲームセンターはもう高齢者が人とコミュニケーションをとる場所になっている。」という。
近年、日本の高齢化は急速に進んでいる。政府の統計によれば、65歳以上の人口は今年9月15日時点で、昨年同期比102万人増加し、3074万人と初めて3000万人の大台に上った。この年代は総人口の24.1%を占め、昨年同期比で0.8%増となっている。
SMBC日興証券のアナリスト宮間孝也氏は、「65歳以上の層の年間消費額は70兆円を超え、国民の総消費額の3割前後を占めるまでになっている。市場での高齢者の増加で企業も自然と照準を彼らに合わせているのだろう。」と分析している。
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