中国社会科学院社会学研究所と社会科学文献出版社は北京で7日、「中国社会心理研究報告(社会心理青書)2012-2013」を発表した。調査の結果、約半数の人が生活の現状に満足していると答えた一方で、国民の要求がさらに拡大し、基準も大幅に高まるといった特徴も見られた。人民日報が伝えた。
▽国民の要求が拡大
青書によると、2012年、生活の現状に満足していると答えた人は約半数に達したが、生活満足度の平均値は2011年比でやや減少した。
地域別に見ると、西部の生活満足度は最も高く、その次が東部で、中部が最低だった。都市住民の平均生活満足度は昨年に引き続き農村住民を下回った。また、男女別では女性の満足度が男性を上回り、年齢別では高齢者の満足度が最高だった。
注目すべきは、国民の要求がより一層拡大し、基準も大幅に高まった点だ。大気の質、水質汚染、住宅条件の改善、健康を保障できる医療条件、住み心地の良い自然環境といった基本的生活に関わる要求が高まったほか、安全な食品、交通、生産環境、効果的な災害防止などが基本的要求となった。
▽社会の信頼感は下がる
青書は、「社会心理は全体的に見るとプラス感情が多くを占めているが、人の健康や社会の調和を損なうマイナス感情が存在する点は楽観視できない」と指摘する。社会問題・事件が相次いだことで社会心理の耐性が下がり、事件が勃発しやすくなっている。青書は「恨みや怒り、敵意などのマイナス感情は、要求が満たされないことや不信感、社会格差などと密接な関係がある」と分析する。
この他、注目すべきは「社会不信感の拡大、固定化に伴い、集団的な衝突が増え、社会矛盾が増加」している点だ。調査によると、中国社会の全体的な信頼感は下がっている。調査によると、政府機関や公安・司法機関への国民の信頼度は低く、広告、不動産、食品・薬品の製造、観光・飲食などの業界への信頼度はきわめて低かった。
「人民網日本語版」2013年1月8日