現在公開中のウォン・カーウァイ(王家衛)監督の最新作「一代宗師」。カンフーの一派・詠春拳の達人で、ブルース・リーの師匠でもあるイップ・マン(葉問)を、香港の俳優トニー・レオンが演じている。この映画ではまず、撮影前に本格的なカンフー修行をスタート。その時点で手を骨折し、完治しないままクランクインしたせいで初日に2度目の骨折。気力・体力ともに消耗し尽くしたせいで、今後の半年間余りを休養期間とし、映画を撮る気はないという。
映画はイップ・マンが生きた第2次大戦前後、激動の時代が主な背景だ。精神的にも、生きていく環境の中でも、イップ・マンはどんどん追い詰められていく。しかし苦境の中でもへこたれることなく、楽観的な態度で立ち向かう彼の姿は、トニーにとって大きな感動だったという。