ニコラ・アネルカとディディエ・ドログバ
慌ただしくやって来て、また慌ただしく去って行く、サッカー界の外国人大物助っ人たち。ニコラ・アネルカ然り、ディディエ・ドログバ然りだ。英チェルシーFCの世界最強FWコンビだった2人は、昨シーズンに相次ぎ上海申花FCに移籍したが、冬には早くも退団した。大きな話題を呼んだ大物たちは、1年もたたないうちに中国プレミアリーグを去った。人民日報が報じた。
2選手が中国プレミアリーグ入りした時、巷では、「超ビッグな大物が中国プレミアリーグに及ぼす影響」をめぐって、真剣な議論が交わされた。今となっては、2人が中国プレミアリーグに与えた影響は、中国プレミアリーグが2人に及ぼした影響にはるかに及ばなかった。2人の退団は、中国サッカーの課題について、入団よりずっと多くの考えるべきことを残したといえよう。
アネルカはかつて、「中国プレミアリーグに残るくらいなら引退したい」との意向を示し、ドログバは、シーズン後半には、すでにチームから心が離れていた。2人のケースが特別なわけではない。広州恒大FCとダリオ・コンカの移籍をめぐるいざこざは、いまだに解決されていない。半シーズンしかプレーしていないルーカス・バリオスも、すでに移籍を検討しはじめたという。これらの「大物助っ人」が中国プレミアリーグに腰を落ち着けることができない理由は、一体どこにあるのだろうか。
「大物助っ人」を獲得しようとする時、クラブは金に糸目をつけない。中国プレミアリーグが彼らを獲得するためには、これが最も有効な方法であろう。お金が無ければ、獲得はまず不可能だが、「お金が全て」という訳でもない。ドログバがチームの練習に初めて参加した時、練習が終わっても汗をかかなかったことに愕然とし、自分の実力を中国でキープすることができるか非常に心配になったという。アネルカは、サッカーのことを良く知らない人がやたらに批評や指示をしてくると嘆いた。元イタリア代表で、天津泰達FCで活躍したダミアーノ・トンマージは、「中国サッカー界は、サッカーコート以外の枝葉末節にこだわりすぎる。また、契約金の未払いや二重の契約書など、外国人助っ人には頭の痛い問題が山積みだ」と打ち明けた。