北京で仕事をしている◆さん(◆は金へんに良)の身に先日起こったある事件が、ネットユーザーの間で話題になっている。彼は20日午前1時ごろ、他人の無線LAN(Wifi)を勝手に使い、携帯電話でネットバンクの口座をチェックしたところ、午前2時ごろショートメッセージが銀行から送られてきた。それは、1時間ほど前に彼がチェックした口座から2千元(約3万円)がATMで引き出されたことを通知する内容だった。わずか1時間の間に、彼のもとには17通ものショートメッセージが届いた。全て口座からの出金通知で、引き出された額は全部で3万4千元(約51万3千円)。内訳は、7回に分けて引き出された現金が計1万4千元(約21万3千円)と、振り出された金額が2万元(約30万円)。翌日、彼はすぐに警察に被害届を出し、捜査が進められている。成都日報が報じた。
事件後、彼は、「いつも他人の無線LANを勝手に使っている」ことを自ら認めた。環境が許す限り、彼は常に他人の無線LANに無料で接続した。彼は、自分のネットバンク口座情報が盗まれたのは、無線LANに入り込んだ際に、悪人の目に止まり、ハッキング技術によって盗み取られたことによるとみている。
長年ソフトウェア・エンジニアとして働く李氏はハッキングの手口について、「あらかじめパスワードを設けていないWifiネットワークを設定しておき、携帯電話ユーザーが勝手に使えるよう仕向ける」と説明。このようなフィッシング詐欺目的のWiFiネットに誰かが接続すれば、その人の携帯電話情報が関連ソフトで解読される可能性が高く、ユーザーの個人情報もコピーされるという。李氏は、「このような状況で、ソフトを使って携帯電話ユーザーのあらゆるネット上のデータをコピーして解読する。その後、携帯電話ユーザーの閲覧履歴があるサイト、登録アカウント情報、パスワード、チャット記録などは全て、この『フィッシング詐欺』の手中に握られてしまう」と指摘した。
ウェブサイトの暗号化機能がそれほど高くなければ直接解読し、銀行や支付宝(アリペイ=中国で最も普及しているオンライン決済サービスサイト)など比較的暗号化機能が高い場合は、ありとあらゆる手を尽くして携帯電話ユーザーにフィッシング詐欺サイトに接続させた上、そのアカウント情報やパスワードを手に入れる。ただし、ネットバンクやアリペイなどのウェブサイトは一般的に、幾重にも暗号化されており、解読される可能性は低いという。
「人民網日本語版」2013年2月25日