昨年の冬に公開された周潤発(チョウ・ユンファ)主演の「大上海」でヒロイン役を演じ好評を博した中国の人気女優・袁泉(ユアン・チュアン)は目下のところ舞台劇「青蛇」に出演をしているが、間もなく第26回中国戯劇梅花奨にノミネートされている舞台劇「簡愛」に、さらに今年の夏には全国を巡業する舞台劇「活着」(生きる)にも出演する。古今東西の異なるタイプの女性だが同じく愛と憎しみが入り混じった複雑な感情を持つ女性3人を演じ分ける。「北青報」が伝えた。
中央戯劇学院を卒業して以来、袁泉は9本の舞台劇に出演してきた。うち大部分が中国国家話劇院の舞台だ。今回の「梅花奨」には多くの実力派俳優がエントリーした中、才能を発揮した俳優が最終候補にノミネートされ、評判と実力にふさわしい納得の選出となった。24日に、この舞台劇「簡愛」が杭州で上演される。わずか1日でより多くの観客に満足してもらうため、袁泉は午後と夜の2回公演を行うことになり、今回は演技と同時に体力も試されることになる。しかし現在、舞台劇「青蛇」で奮闘しているのも一種の鍛錬になっているといえる。
袁泉の携帯には京劇の有名な役者・杜近芳が当時演じた舞台「白蛇伝」の写真が保存されている。「哀調を帯びた美しいラブストーリー。これが私の長年の理解です」と語った。
中央戯劇学院に通う前、京劇の女形や女武将役を習っていた袁泉は、7年間の京劇の基礎があり、その間に京劇の伝統的な演目「白蛇伝」も演じたことがある。今回の「青蛇」は、彼女にとって以前に積み上げてきた「白蛇」に対する理解を打ち破るものだ。稽古時に地べたをはって転げまわったり、膝が青くなったりするのも、幼い頃から京劇を稽古してきた袁泉にとっては、それほど辛いことではない。最も苦しいのは役作りだ。監督はすべての俳優に対し役柄に入り込むことを要求する。
非常に限られた空間から新しいものを見つけるために、袁泉はこだわりを捨て覚悟を決めた。白蛇が登場する1段幕目のセリフはこうだ。「人になりたいと思ったその瞬間から、私は悲劇のヒロインになっていた」。「この白素貞(白蛇伝に登場するヒロイン)の役柄にとって、『白蛇伝』の物語が必要不可欠な存在であるのなら、徹底的に愛し残酷なまでに悟ろう」。
「人民網日本語版」2013年4月16日