大連市ではすでに、日本資本を含む10軒の5つ星ホテルがある。これら高級ホテルの平均宿泊率は2010年が55%、2011年が59%、2012年が57%と、一貫して低迷している。まもなくオープンする各ホテルの客室数はどれも300室を超えており、競争はますます激化することになる。
首都北京から高速鉄道でわずか30分の位置にある天津市でも、外資系ホテルの開業ブームが続く。最近も「セントレジス」と「バンヤン・ツリー」がオープンしており、今後「リッツ・カールトン」と「メリアホテル」がそれに続く。
これらのホテルにとって、宿泊率と同様に悩みの種になっているのが、飲食と宴会需要の落ち込みである。反腐敗キャンペーンの一環として中国の新指導部が、官僚や軍人、国有企業幹部に対して倹約を奨励しているからだ。たとえば大連最大のホテルである「フラマホテル」では、2月の飲食および宴会の売上額は前年比で27%のマイナスとなった。このホテルは金正日氏が宿泊したことで知られる。
“H7N9型”鳥インフルエンザの影響による旅行者の減少傾向が中国全土に広がれば、ホテル業界は更なる打撃を免れない。2003年にSARSが流行した際には、大連の多くのホテルが閉店に追い込まれている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年4月21日