しかし買収にはまだいくつかの問題が残る。まずは、BPは本当に破たん・再編の時を迎えたのか、結論を下すのはまだ早いということ。もう一つは、BPが実際に破たんしても、西側の石油大手にも同様に買収のチャンスがあるということ。エクソンモービル、ロイヤル・ダッチ・シェル、シェブロン、トタルなどの石油大手も十分な資金力があり、買収に名乗り出る可能性がある。
そのほか、中国の石油会社によるBP買収には、2つのリスクがある。1つはビジネスリスク。買収に成功した場合、企業はBPの資産価値とその負債を負うことになる。しかしこれは最大のリスクではなく、政治リスクがもっとも重要になると考えられる。発展途上国の石油大手が、西側の老舗大手企業を買収しようとすれば、政治的意義が経済的意義を上回り、人々に多くの連想を抱かせる。
大規模な国際的買収には政府の許可が必要で、西側政府は様々な考慮を重ね、許可するかしないかは政府に権限がある。西側の石油会社が買収で直面するのはビジネスリスクだけで、中国の石油会社と比べて困難はずっと少ない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年6月21日