「初日、陳燮霞選手が中国初の金メダルを獲得した時のこと。大スクリーンの前には彼女の試合を観戦する一群のボランティアが集まっていた。彼らは両腕を伸ばし、熱烈な拍手を送ろうとしていたが、多くの外国の友人が周囲にいるのを見ると、この東洋の礼儀の国から来た若者たちは、頑張れと思う存分叫びたかった衝動を抑え、その代わりに優雅な方法で民族の誇りを表現した」
英紙「ザ・タイムズ」は先ごろ、中国の観客をこう評価した。このところ、多くの外国メディアは中国の観客が各国選手を尊重する姿勢を高く称賛する報道を行っている。
■中国の観衆の情熱に国境はない
米紙「ワシントンポスト」は、10日夜の沸き返る五棵松体育館を報じた。関心を集めた中国バスケットボール男子ナショナルチームと米国の「ドリーム
チーム」の対戦がここで行われた。姚明選手が開始直後にスリーポイントシュートを上げると、中国の観客は熱烈な歓声で応えた。コービー・ブライアント選手が素晴らしいダンプシュートを決めると、同じように雷鳴のよう拍手で応えた。
論評は次のように記している。「ここ数日の競技で、中国の観客はスポーツに対する情熱を示した。彼らはすべての競技で、中国選手を声援するだけでなく、同じように国籍の境界を越えて外国選手も応援した。中国選手が参加していない種目でも、中国の観客は同様に礼儀正しく拍手と声援で応えた」
■日本の“ブラックホース”を応援
英国のメディアは「中国の観客、ベテランの金獲得を愛し、日本の“ブラックホース”も愛する」と題する論評を発表した。「10日夜、重量挙げ男子56キロ級で、日本の山田正治選手は最も軽い重量、103キロからスタートし、2回目にようやく成功した時には、タイの選手がすでに112キロから116キロを挙げていた。その後のジャークで山田選手は突然、思い切って重量を上げた。中国の観客はこの形勢が不利な選手が巻き返すよう期待し、観客席には雷のような拍手が沸き起こった」
五輪重量挙げ会場でベテランが金を獲得するのを目にするのは、中国の観客にとって当然、無比の喜びだが、一つの会場で“ブラックホース”がリスクを恐れず乾坤一擲、勝利を目指して突き進むのを見るのは、たとえ彼が日本人であっても、同じように異常に興奮するものだ。
中国の観客は主催者として、一人ひとりの一挙手一投足、その言動はスポーツ選手と同じように、全世界のテレビ視聴者やメディア記者の前に現れる。我々はこの東洋の文明の古い国の情熱的な文明、客をもてなすのを好み、物事を理解した人柄を示すことで、世界から称賛され、競技場の外でまた一つの友好のメダルを手にすることができると確信する。
そうだ、北京五輪は中国に何をもたらすことができるか。北京五輪は庶民に何をもたらすことができるか。これは庶民がもっぱら考えていることだが、現在、多くの庶民が中国のために北京五輪の「文明の金メダル」を獲得できるかどうか、むしろこれは憂慮せざるを得ず、わが国は礼節の国であっても、社会的にまだ多くの非文明的な出来事が満ちている。
衆知のように、五輪は単に国と国の間の民衆のスポーツの資質をめぐる競争にすぎない。李肇星元外交部長は「五輪は同じように一つの国の資質を競う機会であり、『文明の金メダル』こそが最も重要な金メダルだ。わが国の政府と人民はより速く、より高く、より強くなる目標のために、奮闘精神を発揚し、最大の努力を尽くして北京五輪の『文明の金メダル』を獲得しなければならない。我々はすでに立派に行っており、我々の観客を誇りに思う」と述べている。
全国人民代表大会(全人代)代表で、湖北省宜昌市の郭有明市長は今年の全人代と政治協商会議で、「五輪は世界が中国を理解する窓口であり、中国を全面的に示す絶好の機会であり、一つの民族としての国民的資質を映す鏡でもある。我々は北京五輪を立派に行うだけでなく、わが国の経済や文明を『世界の観客』に全面的に示さなければならない」と強調した。
中国は現在、金メダル13個でトップにランクされている。同時に、五輪の「文明の金メダル」をさらに獲得できるか。それは金メダルの成績に比べずっと重みのある民族的資質となるだろう。
「チャイナネット」2008年8月13日 |