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新華社の評論:「金メダル数一位」はイコールスポーツ強国ではない
発信時間: 2008-08-23 | チャイナネット

北京五輪の競技が始まて以来、主催国中国の代表団が手にした金メダル総数はずっと着実に1位を保っている。現在の競技の状況と今後のそれほど多くない競技の日程から見ても、この勢いは最後まで保つことができるばかりでなく、中国人のオリンピックの歴史における初めての「金メダル総数1位」という燦然とした輝きをつくり出すことになるかも知れない。このようなこれまでになかった輝きを前にして、私たちは歓声をあげ、小躍りすると同時に、さらに冷静かつ理性のあるやり方でそれを評価し、さらに深層部からの、開放的な思考を行うべきである。中国にとって、金メダル数1位は決してスポーツ強国であることを意味しない。

 

まず、このような成果をあげたのは喜び、祝賀に値すると見るべきである。これはわが国の経済の急速な発展、改革事業の成功、社会文明の進歩、国民の生活レベルの向上がわが国のスポーツ事業のめざましい発展のために強大な物質的保障の基礎と人材選抜の基礎をもたらしたことを物語っている。このほか、それはまた、スポーツ事業の発展、進歩に対する社会全体の重視と積極的な参加によって、わが国のスポーツ事業ははじめてさらに新しい進歩をとげたことも示している。

 

その次に、「主催国の効果」の役割を見てとるべきである。オリンピックの歴史とオリンピックの「国際慣習」から分析すると、「主催国の効果」、ホームグラウンドの優位は主催国の競技レベル、優勝を勝ち取る実力を向上させるものである。たとえば、1964年の東京五輪は日本の金メダル個数を4個から16個まで増やすことになった。1992年のバルセロナ五輪はスペインの金メダル個数を1個から13個に増やした。韓国のソウル五輪もその金メダル個数を7個から12個まで増やした。1980年のモスクワ五輪と1984年のロサンゼルス五輪はさらに旧ソ連とアメリカに30個、40個の金メダルをそれぞれ獲得させることになった……。

 

それ以外に、別の角度からいくつかの比較を行うこともできる。例えば、現在の世界のスポーツ強国と比べて、わが国のギャップの大きさは目に見えており、スポーツ強国の目標を達成するには、まだ長い道のりをたどらなければならない。また例えば、「スポーツの母」といわれる陸上競技種目において、人々の参加の度合が最も多い三大球競技の面、および最も代表性のある水上種目の水泳競技の面で、私たちの劣勢と立ち後れは誰もが認めるところである。さらに例えば、1人当たりの割合の角度から見て、私たちのこのように大きな人口の基数と、私たちの得た金メダル個数、メダル個数とを比べるならば、その比率はずっと小さくなる……。

 

わが国のオリンピック健児が手にした金銀メダルに歓呼しているこの時に、このような分析と判断を行ったのは、みんなが冷静に金メダルとメダルを見、本当に私たちの手にした金銀メダルの数に狂喜することなく、決勝と縁がなかったか、メダルを手にすることができなかったがゆえに悲しみもせず、気にもとめない悠然とした心理状態で、「特色のある、ハイレベルの」北京五輪を首尾よくすすめるとともに、その中からさらに私たちの今後の「スポーツを発展させ、人民の体質を増強する」経験と原動力を獲得するよう願うのみである。

 

「チャイナネット」2008年8月23日

 

 


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