中国地震局(CEA)と日本国際協力機構(JICA)中国事務所が主催し、中国地震応急救援センター(NERSS)が実施した「中日協力地震応急救援能力強化計画プロジェクト」のスタート式が、中国国家地震緊急救援訓練基地で28日に開催された。この式典には、雲南省や江蘇省、河北省など全国各地の地震の応急対応や救援の関係者、国務院応急弁公室の趙会強処長、中国地震局国際協力局の胡春峰局長、JICA中国事務所の山浦所長、在中国日本国大使館の片山和之公使ら約120人が出席。また4日間の会期中には、「中日協力プロジェクト連合委員会会議」や「中日協力プロジェクト応急シンポジウム」、「青海省玉樹地震救援状況の報告」など、テーマ別の討論も行われることになっている。
このプロジェクトは、中国で地震が発生した時の緊急事態に対応する能力強化の取り組み支援として、日本の総務省消防庁の全面的な協力で昨年10月からスタートしたもので、NERSSの応急対応や救助に関わる人材の育成強化、モデル省での応急対応能力および救助能力の強化を目指している。
地震時の救援の演習
昨年11月には、NERSSの応急分野の教官を育成するためのセミナーや、教官の能力を向上させる訓練が行われ、今年4月には長期にわたって救助分野を指導する日本人専門家が着任した。その他にも東京や横浜、神戸、広島、仙台の救助の専門家が訪中して短期で指導。その成果は今、中国国家地震緊急救援訓練基地でモデル省の救援隊の訓練に応用されている。
JICA中国事務所の山浦所長は「このプロジェクトはこれから本格的に活動を始めます。日中双方はさらに連携や協力して、地震応急救援センターの教官への応急対応や救助に関する指導能力を強化し、モデル省の応急対応能力や地方緊急救援隊幹部の指導を強化するのはもちろんのこと、将来的にはNERSSを核とした救助や応急対応能力の強化の仕組みが中国全土に普及し、地震による被害ができるだけ減ることを願っています」とあいさつした。
スタート式のあとNERSSの震災訓練場では、日本人2人と中国人12人の専門家が指導する中国各省の地震応急救チームが、いつもの訓練の様子を披露した。