科学技術とスポーツの融合が近年深まっている。「スマートスポーツ」は全民健身、競技スポーツ、スポーツ産業などを持続的に後押ししている。

全国両会（全国人民代表大会・中国人民政治協商会議全国委員会）の会期中、現地に適した形で新たな質の生産力を発展させ、科学技術イノベーションと産業イノベーションの融合発展を促進するという政府活動報告の内容が、熱心な議論を起こした。

中国人民政治協商会議全国委員会（全国政協）委員、北京体育大学中国体育政策研究院長の鮑明暁氏は、「一部の運動器具には現在QRコードがついている。運動後にスキャンすることで、自分の各種体力データを知ることができる。スマート化運動器具はスポーツの面白みと交流性を増し、楽しく運動する人々の需要をより良く満たすことができる」と述べた。

全国政協委員、国家体育総局運動医学研究所副所長の厲彦虎氏は、全国の多くの青少年の脊柱データの研究に基づき、スマート化スクリーニング介入システムを開発した。同システムは脊柱の検査結果を分析することで、脊柱側弯症などの深刻さを自動で評価し、かつそれに応じたソリューションを提供する。「程度に応じて数々のリハビリ運動を行うためには、パーソナライズされた提案を生成する必要がある。スマート化スクリーニング介入システムはさらに医療従事者不足の問題を和らげる」

また厲氏によると、すでにあるスマートグラスやスマートブレスレットなどのウェアラブルデバイスは、青少年の姿勢が悪い時に注意を促し、脊柱側弯症や近視などの問題を予防できる。

全国政協委員、上海市競技運動訓練管理センター射撃・アーチェリー運動センター主任の陶璐娜氏は射撃を例とし、研究開発中の「スマート引き金」について説明した。この引き金はセンサーにより選手が引き金を引く時の圧力値、タイミング、安定性をリアルタイムで捕捉し、主観的な感覚を客観的なデータに変える。これまで指導員は練習中に肉眼の観察もしくは経験により選手のコンディションとパフォーマンスを判断するしかなかったが、現在はバックグラウンドのデータによって正確かつ全面的に把握できる。

陶氏は、「以前は直感が頼みだったが、現在はデータが頼みだ。このようなスマート設備は射撃に適した人材を正確に選抜でき、さらに大量の練習データを蓄積し、人体の極限を研究するため科学のサポートを提供する」と述べた。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2025年3月10日