石建勲(人民日報海外版特約評論員、同済大学経済・管理学教授)
世界金融危機はますます深刻さを深め、エネルギー・気候変動・食糧安全保障などの地球規模の問題も交錯し、国際社会は厳しい試練を迎えている。この非常時に、アジア欧州会合(ASEM)45カ国・機関の指導者が北京に集まり、現在の状況で最も緊迫した問題について意見を交換し、歩調を合わせ、地球規模の問題にアジアと欧州が共同で対応するという決意を示すことは、非常に重要な意義を持つ。
ASEMは、アジアと欧州を結ぶ重要な橋だ。1996年の創設以来、2回の拡大を経て、メンバーは45カ国・機関に達している。参加国のGDPは世界の半分を占め、人口と貿易額はいずれも世界の6割を占め、世界に対して重要な影響を持っている。10年前に開かれた第2回ASEAM首脳会合では、アジアの金融危機に対応するため、ASEM信託基金の設立を決定し、アジア各国が金融を安定化させ金融危機の社会への影響を取り除くのを助けた。金融分野でのASEMの協力の成功例といえる。10年後の現在、米国サブプライム危機によって引き起こされた金融危機は世界を席巻し、アジアと欧州の各国の経済と金融に大きなダメージをもたらしている。今回のASEM首脳会合が取り組むことになる新たな課題は、米国から始まった「百年に一回」ともいわれる地球規模の金融危機にいかに共同で対応し、公平で合理的で安全な国際金融の新秩序をいかに構築するかということだ。今回のASEM会合が金融分野の協力で新たな成果を上げることを世界は期待している。
欧州からはすでに、金融危機の打開に向けた共同の声が上がっている。EU27カ国の指導者は今月16日に終了した首脳会議で、国際金融システムに思い切った改革を行い、新たなブレトンウッズ体制を構築し、世界金融市場への監督強化を通じて現在のような金融危機が再発するのを防ぐことを呼びかけた。
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