世界各国は現在、米国の金融危機のために巨大なリスクと損失を背負っている。各国はこれによって数10兆ドルの財産の蒸発を被っているのに対し、米国は最大の利益保護を享受している。この厳しい現実によって、人々は恐怖のなかで、米国とドルの覇権的地位が世界各国の財産に対して行っている略奪の本質を知り、ドルは人々の信頼を失いつつある。世界は今、民主的な方法によって合法的地位を与えられた世界金融組織を作り、米国主導の世界経済とドル単一の決算システムを改める必要に迫られている。今後、アジアと欧州の間での決算は、ユーロ・ポンド・人民元・日本円などで行うことを検討しなければならない。これには、双方間と多国間の政府レベルでの一連の協議によって必要な制度的手配を行う必要がある。
想されるのは、米国の金融危機の拡散効果と衝動波はこれからも拡大していく可能性があることだ。世界経済の下降はすでに争うことのできない事実となっている。現在の状況下で、ASEM加盟国は協調を強化し、世界経済の衰退を共同で防止し、現行の国際金融貨幣システムの改善を積極的に推進し、銀行システム・グローバル企業・金融機構への監督管理を強化し、世界の自信を立て直すことを迫られている。
10年前のアジア金融危機に対応するため、中国は人民元の値下がり防止を確言し、危機の緩和に貢献を果たした。10年後の今日、中国はASEM首脳会合の開催国として、国際経済と金融情勢を首脳会合の第一のテーマとして、各メンバーとの協調を積極的にはかり、アジアと欧州による危機への共同対応を推進することになる。13億人の人口をかかえる最大の発展途上国として、また世界最大の外貨準備高を持ち経済成長のただ中にある国として、さらに米国の最大の債権国であり危機で被害を被った国の一つとして、中国は責任ある態度と実際の行動により、国際協力に積極的に参加し、世界の経済・金融の安定を共同で維持しなければならない。さらに自国内の事情を適切に処理し、経済の安定を維持し、金融の安定を維持し、資本市場の安定を維持することが、世界に対する最大の貢献になるといえる。
「人民網日本語版」2008年10月24日
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