中国の民族政策と各民族の共同繁栄と発展

五、少数民族と民族地区の経済社会の発展を加速させる


国は優勢な資源の開発と現代工業の発展を少数民族と民族地区の発展加速を支持する重大な措置としている。「一・五」計画期間、国は156の大型建設項目中、40項目を民族地区に配置した。例えば内蒙古の包頭鉄鋼基地、新疆ウイグル自治区の克拉瑪依(カラマイ)油田、雲南の個旧錫業集団公司などがそれである。20世紀60年代に、国は沿海や内地の一連の大型工業企業を民族地区に移転させ、民族地区の現代工業の発展のために基礎を作った。改革開放政策の実施以来、国はまた民族地区で一連の重大プロジェクトを優先的に実施した。例えば新疆の塔里木 (タリム)油田、広西チワン族自治区の平果アルミ工場、青海のカリ肥料プロジェクト、内蒙古自治区の大型石炭発電基地などがそれである。それらによって民族地区は若干の重要な資源開発や高付加価値の加工産業基地を構築でき、資源優位に立脚し、自身の特色を備えた工業化の道を初歩的に歩み出している。

2000年に西部大開発政策を実施して以来、国は少数民族と民族地区の発展加速を支持することを西部大開発の最も重要な任務としている。西部大開発の中で少数民族と民族地区に直接利益を受けさせるため、国は1、資源開発と高付加価値の加工項目を優先的に民族地区に実施する、2、天然資源を輸出する民族自治地方に一定の利益補償を行う、3、経済が比較的発達した地区の企業の民族地区への投資を誘導し奨励する、4、民族地区への財政投入と金融支持を拡大する、などの多くの優遇措置をとり、民族地区の経済発展と体力強化を後押ししている。現在、5つの自治区、30の自治州、120の自治県はすべて西部大開発の範囲に組み込まれるか西部大開発の優遇政策に照らし合わせ、それを受けている。西部大開発は民族地区で確実に目にでき、実感できる実益をもたらしている。2008年現在、西部大開発政策が実施されて以来の民族地区への固定資産投資は、累計7兆7899億元に達している。そのうち、2008年は1兆8453億元に達し、2000年より5倍増え、年平均23.7%伸びている。「西気東輸」(西部の天然ガスを東部に送る)、「西電東送」(西部の電力を東部に送る)などの一連の重点プロジェクト、一連の空港、高速道路、水利の中枢などのインフラ施設項目を建設した。2007年、青蔵鉄道(青海―チベット)のレールがラサまで敷設され、チベットで鉄道のない歴史に終止符が打たれた。青蔵鉄道の開通によってチベットの交通の立ち後れた状況が根本から変わり、チベットと内地間に経済的で、迅速、全天候対応、大能力の輸送通路が出現し、チベット経済の飛躍のための翼が付けられた。

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