温家宝総理の政府活動報告
発信時間: 2008-03-19 | チャイナネット

(一)マクロコントロールを強化、改善し、経済の安定的かつ急テンポな発展を促進した

われわれは経済運営にみられる際立った矛盾の解決をめぐって、マクロコントロールの予見性、適時性および有効性の向上に力を注いだ。ここ数年来、固定資産投資の過熱、マネーサプライや貸付の過剰供与、対外貿易の黒字増大及び農業基盤の脆弱さなどの経済の発展に不安定で調和がとれず、持続できない問題に対して、土地と貸付の審査をともに厳しくチェックし、市場参入の基準を引き上げ、財政政策、通貨政策をいち早く調整し、産業政策と土地政策を充実させ、経済構造を調整し、脆弱な部分を補強し、経済運営の調節に力を入れた。経済情勢の変動に即して、数回にわたり金融機関の預金準備率、預金・貸付金基準利率の適時調整を行い、エネルギーを大量に消費、汚染物質を大量に排出する一部の製品と資源関連製品の輸出税還付を撤廃し、もしくは引き下げた。こうしたマクロコントロール措置は目に見えて成果を収めた。経済は五年連続して安定的で急テンポな発展を保っており、大きな振れも避けることができた。

われわれは農業の基盤の強化から着手し、食糧の増産と農民の収入増の促進を主要任務とし、制度、政策及び資金投下の面で一連の重要措置をとり続けた。農業税、牧畜業税、特産税をすべて廃止し、農民の負担を毎年一三三五億元軽減した。それと同時に、農業補助金制度を設け、農民に対し食糧生産への直接補助金、良質種子補助金、農機具購入助成金及び農業生産財総合助成金の助成策を実施し、食糧主要生産県や財政難の県と郷に対し奨励金と補助金の支援策を実施した。農業、農村への資金投下を大幅に増やし、中央財政の「三農」(農業、農村、農民)に振り向けた支出は五年間で累計一兆六〇〇〇億元に達し、そのうち農村インフラ整備に振り向けた部分は三〇〇〇億元近くに達し、地方による投資もかなり多く増加した。この五年で新規節水灌漑農地は六六七万ヘクタールとなり、メタンガス利用農家は一六五〇万世帯増加し、農村の自動車道路を一三〇万キロ新規敷設、改築し、九七四八万人の農村人口の飲用水の困難や飲用水の安全問題を解決し、重大動物疫病予防・抑制システムを確立し、高病原性鳥インフルエンザ感染などの疫病の蔓延を防いだ。こうした諸対策や措置により農民の意欲が引き出され、社会主義の新農村建設が力強く促進された結果、農村には歴史的な変化が現れ、何億という農民が心から喜んでいる。農業の発展は経済・社会全般の安定と発展のために重要な役割を果した。

われわれは国家中長期科学・技術発展計画要綱を作成し、二〇〇六年から二〇二〇年にかけてのわが国の科学・技術発展について全面的な配置をおこない、多くの重要特別プロジェクトをスタートさせることにした。これは自主的創造革新能力の向上と創造革新型の国づくりの促進に重要かつ深遠な影響を及ぼしている。また、基礎科学と先端技術の研究が強化され、高性能スーパー・コンピューター、第三世代移動体通信、スーパー・ハイブリッド米などオリジナルな革新によるいくつかの重要な成果を収め、独自の知的財産権と市場競争力のある製品を数多く開発した。五年来、中央財政の科学技術発展への投入は三四〇六億元に上った。社会全体の研究・実験・開発の経費は二〇〇二年度の一二八八億元から二〇〇七年度の三六六四億元に増え、GDPに占めるウェートは一・〇七%から一・四九%に上昇した。企業を主体とする技術創造革新体系の整備は重要な進展を遂げた。科学技術の創造革新によって経済・社会の発展を支え、牽引する能力は明らかに高まった。

われわれは一連の産業政策と特別プロジェクト計画を制定、実施し、産業構造の最適化・高度化を促した。情報、バイオ、航空・宇宙、新エネルギー、新素材、海洋などハイテク産業の発展が速まった。設備製造業の振興には著しい成果がみられた。観光、金融、物流などの現代サービス業はめざましく発展している。インフラ施設や基盤産業の整備はかなりの進展を遂げ、一連の重要プロジェクトが相次いで完工し、もしくは順調に推し進められている。青海=チベット鉄道は一年繰り上げて完工、開通し、三峡ダムプロジェクトの水防、発電、水運などの総合的な役割が全面的に発揮され、「西電東送」(西部から東部への送電)、「西気東輸」(西部から東部への天然ガス輸送パイプライン)が全面的に稼動し、「南水北調」(南部の水を北部に引く)プロジェクトはスムーズに進捗し、渓洛渡水力発電所、紅沿河原子力発電所、北京=上海高速鉄道、千万トン級製油所、百万トン級エチレン生産プラントなど多くの重要なプロジェクトが相次いで着工し、普光ガス田、南堡油田などの探査・開発には大きな進捗が見られた。五年間で新規発電設備容量は三億五〇〇〇万キロワットで、一九五〇年から二〇〇二年までの五三年間の総量に相当する。新規自動車道路の距離数は一九万二〇〇〇キロ、そのうち、高速道路は二万八〇〇〇キロである。鉄道の新規運営距離数は六一〇〇キロ、一万トン級以上の新設バースは五六八となり、通信の新規ユーザー数は四億九四〇〇万世帯となっている。これらの成果によって、エネルギーや交通、通信の状況が効果的に改善され、経済・社会発展の後続力が強化された。

われわれは資源節約と環境保護を大いに重視している。「第十一次五ヵ年計画」の要綱は、省エネ・排出削減を拘束性目標として設定した。また、ここ二年、省エネ・排出削減に関する総合的な対策を打ち出すとともに、これを実施し、省エネ・排出削減指標体系、監視体系、チェック体系と目標責任制を構築し、気候変動対応国家案を公布した。法に則って多くの立ち遅れた生産能力を淘汰し、二一五七万キロワット相当の小型火力発電設備、一万一二〇〇ヵ所の小型炭鉱を閉鎖し、四六五九万トンの製鉄生産能力、三七四七万トンの粗鋼生産能力、八七〇〇万トンのセメント生産能力を淘汰した。十項目の重点省エネプロジェクトをスタートさせた。石炭燃焼発電所の脱硫プロジェクトは突破的な進展を遂げた。中央政府は重点河川流域における六九一の水汚染対策プロジェクトに投資してサポートした。引き続き天然林資源の保護、北京・天津風砂発生源地区の整備などの生態系整備を推し進めた。五年間に行った耕地の林地復元や植林の面積は累計三一九一万ヘクタール、牧場の草地復元面積は三四六〇万ヘクタールである。土地と水資源の保護を強化し、五年間で一五二・六万ヘクタールの耕地を整理、再開墾、開発、拡充した。各方面の努力により、省エネ・排出削減には積極的な進展がみられ、二〇〇七年の単位GDP当たりのエネルギー消費量は前年度より三・二七%減少し、化学的酸素要求量(COD)や二酸化硫黄総排出量は近年来初めて両方とも低下し、前年度よりそれぞれ三・一四%と四・六六%下がった。資源節約と環境保護について認識的にも実践的にも重要な転換をとげた。

われわれは地域発展の総体戦略を実施した。西部大開発は引き続き推し進められ、五年来、重点建設プロジェクト支援に対する中央財政の投資は二八〇〇余億元に達し、インフラ施設と生態系環境の整備は著しい進展を遂げ、重点地域と特色のある優位産業の発展が速まった。東北地区など旧工業基地の振興戦略を制定、実施し、大型食糧基地の建設が絶えず強化され、国有企業の改革・再編・改造は突破的な進展を遂げ、重要な技術設備の国産化は著しい成果をあげた。資源型都市の経済パターン転換のテスト作業は順調に推し進められ、旧工業基地は新しい生命力と活力を見せている。中部地区の勃興につながる政策・措置を制定、実施し、食糧主産区における現代農業の建設のテンポは速まり、重要なエネルギー・材料工業や設備製造業、総合交通運輸システムが一段と発展をとげた。東部地区は引き続き率先して発展しており、経済力と全般的な質はいちじるしく向上した。経済特別区、上海浦東新区、天津浜海新区の開発・開放が加速された。これらの重要な措置によって、地域経済の合理的な配置と調和の取れた発展が促進された。

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