07年予算執行状況と08年予算案に関する報告
発信時間: 2008-03-20 | チャイナネット
  二〇〇七年度の予算執行と財政運営の主な状況は次の通りである。

  (一)全国の歳入は速い伸びを示している

  二〇〇七年度、国民経済は安定した急速な発展を保っている。それを踏まえて、財政、税務、税関などの各級部門は法律に則って税収の仕事に取り組み、管理の科学化、精密化を鋭意実施し、租税徴収・管理の質と効率を高め、租税外収入の管理も規範化させたため、全国の歳入は速い伸びを保った。その内、国内増値税(付加価値税)収入は一兆五四七〇億一一〇〇万元で、二一%伸び、予算の一〇八・五%を達成。国内消費税収入は二二〇六億九〇〇〇万元で、一七%伸び、予算の一〇七・四%を達成。輸入品に課した増値税と消費税の収入は六一五二億二一〇〇万元で、二四%伸び、予算の一〇九・三%を達成。輸出品に係る増値税と消費税の還付金(財務上では収入と相殺して会計処理される)は五六三五億元で、一五・五%伸び、予算の一一五・五%を達成。営業税収入は六五八一億九九〇〇万元で、二八・三%伸び、予算の一一三・六%を達成。企業所得税収入は八七六九億四七〇〇万元で、三七・九%伸び、予算の一二〇・二%を達成。個人所得税収入は三一八五億五四〇〇万元で、二九・八%伸び、予算の一一〇・八%を達成。印紙税収入は二二六一億七六〇〇万元で、五〇〇・五%伸び、予算の五四五%を達成。関税収入は一四三二億五四〇〇万元で、二五・五%伸び、予算の一一四・六%を達成。租税外収入は五六九一億四〇〇万元で、二二・八%伸び、予算の一一一・二%を達成した。

  説明しておかなければならないのは、全国の歳入が速いテンポで伸びたのは主として、国民経済が安定した急速な発展をとげ、構造が最適化され、効率が向上し、収入の徴収・管理が強化されたためである。これに加えて増収をもたらす特殊な、政策的もしくは一時的な要因もあったからである。それは主に次のようなものである。一、証券市場の取引が活況を呈し、適用税率が引き上げられたことから、証券取引印紙税収入が一八二五億八五〇〇万元増えた。二、輸出租税還付政策の調整により租税還付金が四〇〇億元減少し、それに応じて増収となった。三、一時的な収入として鉄道運輸企業が国有資産の処分収入一九六億元を上納した。四、石油特別収益金が年間を通じて計五〇一億四〇〇〇万元徴収され、一二九億三七〇〇万元増えた(二〇〇六年度は二つの四半期分しか徴収しなかった)。

  



  


  全国の歳入は予算額を七二三九億元超過し、その内、中央財政の収入超過分は四一六八億元であった。その主な原因は次の通りである。国民経済の実質成長率が所期目標を上回り、とりわけ税収に直結する商工業の付加価値や全社会の固定資産投資、対外貿易輸出入総額、社会消費財小売総額及び企業の実現利潤額などの実質伸び率が所期目標値を大幅に上回り、それに応じて実質税収も予算額より高くなったこと。年次予算執行の過程において国はマクロコントロールの強化、改善の必要から、証券取引印紙税や輸出租税還付政策の見直しなど若干の新しい政策を策定、実施したため、それに見合う一部の増収がもたらされたこと。租税の徴収・管理の強化により、徴収率がさらに向上したことである。『中華人民共和国予算法』、『中華人民共和国各級人民代表大会常務委員会監督法』、『中央予算の審査・監督強化に関する全国人民代表大会常務委員会の決定』及び第十期全国人民代表大会第五回会議で採択された関連決定・決議の要請に基づき、全国人民代表大会常務委員会法律執行検査チーム、全国人民代表大会の関連特別委員会及び全国人民代表大会の一部代表の意見と提案を真剣に検討し、それを受け入れた上で、中央財政の収入超過分に対し、法律に則って関連支出を増やしたほか、主に民生に関わる大事業、メカニズムや制度の確立に振り向けることとした。一、現行の財政体制と制度の規定に基づき、支出を一〇一四億元増やした。その内、地方への一般的移転支出と租税還付金を六六七億元増やし、車両購入税の収入超過分一一七億元を老朽化した橋梁の保守・改築などの自動車道路整備に用い、鉄道運輸企業の国有資産を現金化した収入分一九六億元を特別資金として鉄道整備に振り向け、科学技術支出を二九億元増やした。二、民生の改善と脆弱な部分の補強への支出を一四三七億元増やした。その内、農業・林業・水利事務支出は一六一億元、教育支出は二一〇億元、社会保障と就業支出は三四四億元、医療衛生支出は三一三億元、環境保護支出は一九六億元、安価賃貸住宅保障補助金は四八億元、公共安全・一般的公共サービスへの支出は一三三億元、文化支出は一一億元の増額であった。三、財政・経済の安定的かつ持続可能な運営のいっそうの強化を目的とする支出に一七一七億元を計上した。その内訳は、財政赤字の削減に四五〇億元、食糧取引で生じた政策的財務赤字や歴史的債務の穴埋めに二三五億元を振り向け、中央予算安定調節基金に一〇三二億元追加した。二〇〇七年度中央財政の収入超過分の配分状況について、国務院はすでに第十期全国人民代表大会常務委員会に報告した。

  (二)財政面のマクロコントロールをいっそう強化した

  経済運営で浮き彫りになっている問題の解決に向け、「三農」(農業・農村・農民)への投入や移転支出への取組みを強化するなどの措置を真剣に実施した上で、穏健な財政政策の関連措置の充実化を急ぎ、さらにその他の政策と結び付けた結果、良質かつ急速な経済発展を促した。

  財政赤字を大幅に削減し、中央建設投資の構造を最適化させた。年初予算の財政赤字を二〇〇六年度より三〇〇億元減らした上で、予算執行の過程でさらに四五〇億元を削減したため、中央財政赤字は二〇〇〇億元となり、対GDP比は〇・八%に下がった。中央の建設投資総額は一三四四億元で、主として社会主義新農村づくりや社会諸事業の発展、生態環境の保護、西部大開発などに振り向けた。投資プロジェクトへの予算配分にメリハリをつけ、重点プロジェクトの予算資金を優先的に計上した。

  過剰流動性を緩和させる税財政措置を実施した。『財政部の特別国債発行による外貨購入及び二〇〇七年度末国債残高限度額調整の承認に関する全国人民代表大会常務委員会の決議』に基づき、財政部は人民元建て特別国債を一兆五五〇〇億元発行し、二〇〇〇億ドルの外貨購入に充てたことで、外貨準備高と同額のベースマネーを減少し、通貨政策操作面のプレッシャーを軽減した。預貯金利息収入に係る個人所得税の適用税率を二〇%から五%に引き下げ、住民の預金収益を増やし、物価の上昇が住民の預貯金利息収益にもたらした影響を和らげた。

  国際収支の均衡を促進する税財政措置を見直し、それを充実化させた。五五三品目に及ぶ高エネルギー消費・高汚染型製品、資源関連製品の輸出租税還付を取り止め、貿易摩擦につながりかねない製品二二六八品目の輸出租税還付率を引き下げた。エネルギー資源関連製品など五一一品目の輸入税を低減する一方、高エネルギー消費・高汚染型製品、資源関連製品など二二二品目の輸出税を引き上げた。加工貿易の禁止類と規制類製品の対象枠を調整し、一部の資源関連製品や重要な技術設備などに対しては輸入租税優遇策を実施し、奨励リストに組み入れた製品の輸入と技術の導入に向けた補助政策をうち出した。企業が「海外に出て行く」戦略の実施を後押しした。

  省エネ・排出削減の支援に係る税財政措置を強化した。中央財政は二三五億元を支出し、地方も投入の度合いを大きくして、十件の重要省エネプロジェクトや、中西部の都市汚水処理施設関連ネットワークの整備、「三つの川」(淮河、海河、遼河)・「三つの湖」(太湖、巣湖、テン池)流域および松花江流域の水質汚濁対策、立ち遅れた生産能力の淘汰などを助成した。省エネ製品の政府調達義務づけ政策を制定、実施し、政府が優先調達すべきエコマーク認定製品を八五六品目から二八二三品目に増やした。租税優遇政策を活かして、炭層ガスの抽出・利用と農業の節水型灌漑を奨励した。一部の課税対象となる鉱産物の資源税標準額を調整し、資源の合理的開発・利用を促している。環境保護、省エネなどの要件を新しい企業所得税法の租税優遇枠に組み入れた。鉱物資源の有償使用制度の改革を穏当に推し進め、再生可能エネルギーと新エネルギーの発展促進政策を全面的に実施している。気候変動対応行動の仕組みを革新した。

  科学技術の進歩と自主的創造革新を大いにサポートした。国家自然科学基金や国家科学技術サポート計画などへの投入を増やし、公益的性格の科学研究機関と業種の科学研究支援への取り組みに力を入れ、現代農業の産業技術体系、国家科学技術基礎条件プラットホーム、国家実験室および国家重点実験室の整備を支援した。科学研究機関管理体制の改革を推し進めた。科学技術型中小企業の自主的創造革新を促進し、ベンチャー・キャピタルのテスト作業をくり広げ、国家クラスの大学発サイエンスパークやハイテク企業インキュベーターなど科学技術の発展を助成する関連租税政策を策定、実施した。
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