女性官僚の割合が低い原因について、杜潔氏らは主に中国の政治文化の影響によるものとの見方を示す。男性優越主義の社会で、「キャリアウーマン」は本能的に排斥されてしまうのだ。
中国では、女性が政治に参与する場合、社会的コストが男性より高くつく。女性は努力の程度、家庭、出産、定年退職、社会的評価などの面で、男性より多くの代価を払わなければならない。
このほか、男性60歳、女性55歳という定年退職年齢も、まだ若く精力旺盛な女性官僚の機会を失わせることにつながっている。また、飲酒などの官僚文化も、女性を溶け込みにくくさせる原因だ。
杜潔氏は「重要なのは、文化的な思想の制約」と語る。2001年のある研究によると、女性指導者に対する社会文化的な偏見は深刻であることがわかった。例えば、女性部長に関する報道の場合、「良妻賢母で親孝行」などと強調されやすいが、男性部長ならば、「賢い夫、良き父、孝行息子」だと報じられることはない。男性官僚が家にも帰らず一心不乱に仕事に打ち込めば褒め称えられるが、「優秀な女性官僚」は、仕事がどんなに忙しくても家に帰ってご飯を作らなければならない。「これは女性官僚に対する差別であり、ダブルスタンダードだ」と杜潔氏は語る。
女性官僚の「家庭生活」は政界において避けられない問題だ。女性政治家である呉儀副総理は未婚であることについて、「私は独身主義者ではない。ただ生活が私にその機会を与えてくれなかっただけ」と語った。
杜潔氏は、「女性の得意分野である柔和さは、今の政治文化においてあまり重要でない。女性官僚が男性のように政権を握れば『高慢だ』だと見なされるが、やさしさと柔和さを表に出すと、今度は『軟弱』だと見なされる。女性官僚はジレンマに陥ってしまう」と指摘する。(編集SN)
「人民網日本語版」2012年3月9日