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唐国務委員、日本各界との懇親レセプションにおける挨拶
発信時間: 2008-02-21 | チャイナネット

 

日本各界との懇親レセプションにおける挨拶

国務委員 唐家璇

(二OO八年二月二十一日 東京)

尊敬するご来賓の皆様、友人の皆様

まずは本日のレセプションを手配して、古くからの友人の皆様と一堂に会する機会を与えて下さった崔天凱大使に御礼申し上げます。皆様の懐かしい顔を拝見して、ことのほか親しみと喜びを感じる次第でございます。

この度は、八年ぶりに懐かしき日本の土地を再訪問し、誠に感無量でございます。私が日本語の勉学を始めたのは、ちょうど50年前です。それ以来日本との間で切っても切れない縁が結ばれました。私は30年前と20年前に、二度に渡り在日本中国大使館で勤務致しました。半世紀以来、私は戦後中日関係がお互いに隔絶の状況から建て直し、そして発展への道に辿りついてきたプロセスをことごとくこの目で見てきました。両国の国交正常化、中日平和友好条約の締結、中日共同宣言の発表など重大な歴史的な瞬間をこの身で経験しました。また、総理大臣、衆参両院議長、政党の党首から、財界の方々、経営者、大学教授、作家、俳優、新聞記者ひいては会社員、家庭主婦まで、数え切れないほどの友人ができました。中国には「往事煙の如く」という言葉がありますが、私にとっては、昔の事はむしろありありと目の前にに浮かんでおり、到底忘れられません。長年来、皆様とともに中日友好の発展を喜びあい、中日友好が蒙ったマイナス、ともに両国関係の健全且つ安定した発展のために心血を注ぎ、そういう中で厚い友情を結んできました。この場を借りて、中日友好関係の発展のために貴重な貢献をなされたすべての友人の皆様に崇高なる敬意を表するとともに衷心より感謝申し上げます。

友人の皆様

2008年は「中日平和友好条約」締結30周年であります。30年前、トウ小平先生と福田赳夫総理はともに政治的な決断を下し、「中日平和友好条約」の締結を実現しました。この条約は史上初めて法律の形をもって中日両国の平和共存、代々友好の大きな方向を示し、両国関係の発展のために守らなければならない重要な指導原則を定め、両国関係の政治的基礎と法的土台を強固なものにしてくれました。福田赳夫先生はかつて、この条約によって両国友好往来の「鉄橋」が作られたとおっしゃいましたが、これは、誠にみごとな表現であり、私もまったく同感でございます。

30年来、両国関係は各分野において大きな進展を遂げ、かつてないレベルに達しました。同時に、両国関係は多くの紆余曲折と困難を経験してきました。双方の共通した努力の下で、昨年以来、中日関係の改善と発展の勢いは間断なく強まってまいりました。両国首脳は相継いで「氷を割る旅」、「氷を溶かす旅」そして「迎春の旅」を成功裏に行い、中日関係を再び正常な発展の軌道に乗せ、戦略的互恵関係という新たな位置付けに漕ぎ着けました。この際、私たちはなおさら田中角栄先生、大平正芳先生、藤山愛一郎先生、高崎達之助先生、松村謙三先生、宇都宮徳馬先生、伊東正義先生等中日友好の井戸を掘って下さった多くの古い世代の政治家の方々を懐かしく思い、稲山嘉寛先生、岡崎嘉平太先生、木村一三先生等中日友好の発展と両国の経済貿易往来の促進に生涯を捧げて下さった経済界の先輩の方々を深く偲んでやみません。また、言うまでもなく、私たちは近年来中日関係の政治的困難を乗り越え、中日関係の改善と発展を実現するために重要な貢献をなされた各界の有識者の方々のことを尚更忘れられません。

戦後の中日関係の発展の歩みを振り返って、総括しますと、私は次の四点を痛感しております。第一に、中日関係の発展の成果と良好な局面を迎えたことは容易なことではなく、これをより大切にし、丹念に守っていくべきです。これは中日双方共通の責任でもあります。第二に、中日友好は大勢の赴くところで人心の向かうところであり、阻むことのできない歴史の流れであります。どんな時においても私たちはこの信念をゆるぎなく堅持していかなければなりません。第三に、中日友好協力関係を発展させることは、中国の利益に合致し、日本のためにもなり、さらに双方の共通利益にかないます。第四に、中日関係にはまだ一部に未解決の歴史遺留問題があり、また私たちがともに直面して行かなければならない新しい問題も生じます。これらの問題に対して、われわれは慎重に、適切に対応すべきであり、両国関係発展の大局に影響させないことが大事であります。最近日本で発生した餃子の事件について、中国政府は大変関心を持っており、極めて重要視しております。私はこの機会を借りて、事件で被害を受けられた方々に対して、心からお見舞い申し上げます。私は中日双方の緊密な協力によって、一日も早く真相を解明するよう希望しています。私はここで特に強調したいのは、中国政府は人間本位の方針を堅持し、食品安全の面において、私たちは13億の中国人民に責任を持つと同時に、中国の食品を食べられる各国の方々にも責任ある態度で臨むまなければなりません。これは中国政府の確固たる方針であります。

皆さん、まさに福田総理が先般訪中の時におっしゃったように、日中両国にとっては、平和友好協力以外の選択肢はありません。この言葉は素朴で奥深い哲学が含まれており、まさに歴史的知恵と戦略的な目に満ちたものだと言えましょう。

友人の皆様

世界は変化しつつあり、中国も日本も重要な発展の時期にさしかかっています。未来を展望し、中日関係は正に新たな歴史的起点に立っており、広々とした発展の空間に臨んでいます。新しい情勢のもと、中日両国の共通利益とチャンスが日増しに拡大しており、同時にともに直面しているチャレンジも増えております。このたび貴国を訪問したのは、主に未来志向の中日友好協力関係をいかにして発展させるかについて日本政府と各界の皆様と突っ込んで意見交換し、同時に胡錦涛主席の今春の日本に対する公式訪問のために準備を行なうためであります。胡主席のこのたびの訪問は、中国の国家元首による新世紀初の訪日であり、また中国共産党第十七回全国代表大会以降中国の最高指導者による初めての外国訪問でもあります。中日関係の絶え間ない発展を推進し、両国関係の新たな局面を切り開く上で重要かつ深遠なる意義を持つ訪問であります。この重要な訪問を通じまして、日本側とともに、中日関係の未来図を描き、中日関係の長期的、健全且つ安定した発展のための新たな枠組みを確立することを期待しております。ぜひ日本各界の方々とともに努力して、訪問を円満裏に成功させて、中日関係を新たな段階へと推し進めてまいりたいと存じます。これを実現させる自信を持っております。両国が手を携えて、発展のチャンスを分かち合い、ともに挑戦に立ち向かっていけば、中日友好は21世紀において必ずやより一層旺盛な生命力が生まれるものと信じております。これは時代の要請であり、両国国民の共通した願いでもあります。福田総理がおっしゃったように、中日友好の春はすでに来ました。春は私たちに希望と活力を与えてくれます。この会場で、私はすでに春の強い息吹を感じました。皆様、中日友好の「縁」を末永く発展させ、中日関係のより麗しい未来を切り開くために、ともに努力していこうではありませんか。

ご清聴ありがとうございました。

「中国国際放送局 日本語部」 2008年2月21日

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