中国が軍艦をアデン湾に派遣しソマリアの海賊を取り締まると発表した後、米国側の姿勢も各界の関心を呼んだ。米メディアは「ブルー・ネイビー」を初めて太平洋から出す行動を「極めて珍しいお目見え」と呼ぶとともに、この行動は中国の外交戦略上の重要な一歩を示すものだと報じた。米ワシントン・オブザーバーは、中国海軍の長期にわたる沈黙の後の「光る剣」の背後に見えるのは、ますます自信を深める中国の大国としての風格だ、と報じた。米国の世論はまた、中国が米国の提唱する「千隻艦艇計画」に参加し、連係して「公海のパートナー」になるよう期待を示した。
西側は中国が派遣する軍艦のニュースに関心を寄せているほか、この数日、米国のこれに対する論評に極めて強い関心を持っている。これより前、米国防総省の報道官や、米太平洋総司令部基地などの米軍高官は公開の場で、米国は中国の決定を歓迎すると述べるとともに、中米双方が海賊取締の行動で緊密に協力することに期待を表明したうえで、これは中米の軍事交流を回復させる1つの契機になるとの考えを示した。
ワシントン・オブザーバーは、米国の退役海軍少将で、外交政策分析研究所アジア太平洋研究主任のエリック・A・マックヴァドン氏の分析を引用し、中国がその他の国の海賊共同取締の行動に加わり、グロバールなエネルギー安全を保障し、さらに米国が提唱する「千隻艦艇計画」に参加し、連係して「公海のパートナー」になるよう期待すると報じた。
マックヴァドン主任は「世界各国の海軍が全体的に発展しているのに対し、米国海軍は小規模化しつつあり、それぞれの広大な海域で任務を遂行するには各国の支援が必要であり、一方、中国海軍の影響力はすでに幅広く注視されている。中米海軍は協力して人道主義援助を行い、海洋の安全を擁護する段階に入った。私は双方の協力の将来に楽観的な姿勢を持っている」と述べている。
同時に、多数の米国の国際問題専門家を取材した後、ワシントン・オブザーバーは、中米海軍はソマリア海域で任務を遂行することはなくとも、何ら衝突は生じることはないと報じた。マックヴァドン主任もこれに同意し、「両国海軍は互いに干渉しないか、ある種の良好な協力関係を確立して、互いの計画や情報を交換するほうがいい」と指摘。
「04年にインドネシア大津波が発生した後の様々な自然災害から、米国は多くのアジアの国々の災害救済を支援してきた。当時、中国海軍は自らの国際救援能力の不足を口にしていたが、数年を経て、中国の海軍力は大幅に向上し、自身の医療船舶を所有するまでになり、これは救済で非常に役立つ施設だ」。こう述べたマックヴァドン主任は「海洋は全世界のものであり、その平和と安定を維持するにはより多くの協力が必要である。中米海軍が海の中央のパートナーになるよう期待する」と強調した。
|