「中央アジア非核兵器地帯条約」(セメイ条約)が21日に発効した。中南米、南太平洋、アフリカ、東南アジアに続き、世界で5番目、北半球で最初の非核地帯が誕生した。
セメイ条約には(1)かつての核保有地帯に非核地帯を設ける初の条約(2)中央アジア5カ国による初の地域集団安全保障協力条約(3)発効後18カ月内に各締約国が国際原子力機関(IAEA)との補足協定に調印し、条約の定める責任の全面的な履行を確保することを初めて規定??という3つの特徴がある。
旧ソ連はかつて中央アジアに大量の戦略核兵器を配備していた。ソ連解体時、カザフスタンには世界で4番目に多くの核弾頭が残されていた。セメイ条約の調印地であるカザフスタン東部のセメイ(旧名セミパラチンスク)はかつてソ連最大の核実験拠点だった。中央アジア諸国は域内の真の安全保障を求め、国際的地位を向上させ、核軍拡の犠牲となることを回避するため、独立当初より努力を重ねてきた。1992年にはカザフスタンが核兵器の完全廃棄に向けた段階的削減を宣言。1993年9月にはウズベキスタン首脳が中央アジア非核地帯の構築を初めて提唱。1995年5月にカザフスタンで最後の核装置が除去され、中央アジアは事実上の非核地帯となった。
国連の潘基文事務総長はセメイ条約の発効に歓迎の意を表すとともに、すべての未解決の問題を解決し、条約の効果的な施行を確保するよう関係国に求める声明を発表。「2010年の『核兵器不拡散条約』再検討会議を前に、セメイ条約の発効は世界の核不拡散体制を強化し、非核地帯の戦略的・道義的価値を明示し、核兵器のない世界の実現におけるさらなる進展の可能性をはっきりと示した」と表明した。
「人民網日本語版」2009年3月23日 |