例を3つ挙げます。
第一の例は、東アジア域内における通貨危機を防止するための二国間通貨スワップ取極のネットワークである、「チェンマイ・イニシアティブ」というものがあります。この枠組みは、地域の金融システムの安定化に大きく貢献してきました。今後、この力を更に高めるために、この枠組みのマルチ化を早急に実現したいと考えます。
第二の例は、広域インフラ整備を進め、人と物の流れを加速することです。これは、経済、社会に大きな影響を与えます。たとえば、現在、ベトナムのホーチミンからインドのチェンナイまで、マラッカ海峡を経由して、海路で2週間かかります。これをホーチミンからアンダマン海までの、ベトナム、カンボジア、タイの3カ国を通る陸路を整備し、通関などの国境通過にかかる時間を短縮すれば、8日で運ぶことが可能となります。
第三の例は、日中韓サミットです。昨年12月に、福岡で始めて独立して開催された3カ国のサミットは、歴史的な会議でした。日中韓を合わせた経済規模は、英独仏を合わせたものよりも大きく、三国間の協力の行方は、世界も注目しています。本年、中国で開催される会議を成功させ、三国間の協力を更に推し進める考えです。
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