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互いに尊重してこそ共に歩める中国とEU
発信時間: 2009-05-22 | チャイナネット

温家宝総理とEU首脳は20日、チェコ大統領府で第11回首脳会談を行った。昨年の波瀾を経て、中国とEUの首脳が再び同じテーブルに着き、関係推進の大計を話し合ったことは、双方が中国・EU関係の発展を強く重視していることを十分に示すものだ。

昨今の情勢の下で、双方の首脳が長期的な関係発展や関心を共有する問題について踏み込んだ、緊密な意思疎通と交流を行うことは、中国・EU協力の促進にプラスだし、金融危機、気候変動、エネルギー安全保障といったグローバルな試練に共同で対応するうえでもプラスだ。

1975年の外交関係樹立以降、中国・EU関係は長足の進展を遂げた。2003年に双方は包括的戦略パートナーシップを結んだ。現在までに設置された各レベルの協議・対話制度は50余りに上り、政治、経済貿易、科学技術、エネルギー、環境など幅広い分野をカバーしている。

中国・EU関係の主流は常に協力にあるが、文化伝統、イデオロギー、政治制度、経済・貿易上の利益の相違から、いくつかの点においてなお対立や隔たりがある。近年の双方の交流の実践は、どんな時であれ、双方がこれらの隔たりや対立が相手の核心的利益に抵触することを注意深く避け、互いの重大な関心に配慮し、敏感な問題を適切に処理すれば、双方関係は順調に発展し得ることを示している。

先日、欧州委員会の高官は「EUと中国の包括的戦略パートナーシップは、すべての問題で双方に見解の一致を求めるものではない。双方は共通点を求め、相違点を保留すべきだ。これは経験から来る話であり、将来の関係発展の鍵の在処もここにある」と述べた。

中国・EU首脳会談が開催されるのは、まさにEUの対中政策が見直しと調整に入る時期だ。最近、欧州の研究者からは、EUの現在の対中政策は現実にそぐわないとの声が聞かれる。より統一された協調的な対中政策を取るよう呼びかける研究者も少なくない。共通点を求め、相違点を保留するには、なお相互理解が必要だ。近年来、EU統合のプロセスはいくつかの困難に面し、世界の政治・経済構造におけるEU諸国の地位にも変化が生じている。これらの困難や変化がEU諸国の対中心理に影響を与えていることを、中国側は十分に理解すべきだ。

EU側も、中国の発展を客観的に理解することが必要だ。ヨーロッパ人は常にスタンダード作りを好み、かつそれらのスタンダードを用いて全世界の政治・経済・科学技術の発展を規範化することを望む。だが中国はやはり発展途上国なのであり、歴史や文化伝統が異なるうえ、現代化への困難な過渡期にある。中国はしかるべき責任をより多く担うようにするが、約束は国情に沿ったものでなければならない。中国は、衣食や貧困といった、発展を通じて解決する必要のある問題を脇に追いやってまで、欧州のスタンダードを満たすことはできない。

共通点を求め、相違点を保留するには、戦略的視点がより必要だ。世界の政治・経済構造の中で、中国とEUは重要な両極であり、中国・EU関係には世界の平和を促進する重要な働きがあり、グローバルな意義もますます強まっている。グローバルな視野で中国・EU関係を認識し、観察することは、双方が摩擦や相違を克服し、時代に合わせた関係発展を推進するうえでプラスとなる。(「人民日報海外版」望海楼)

「人民網日本語版」2009年5月22日

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